さよならの朝に約束の花をかざろう / さよ朝

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さよならの朝に約束の花をかざろう / さよ朝
9

親子の想い

この「さよならの朝に約束の花をかざろう」は「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」と「心が叫びたがってるんだ。」の脚本を担当された岡田麿里さんが監督として手掛けた作品です。それら二作品とは違い、完全なファンタジー作品です。
主人公の少女マキアはイオルフと呼ばれる不老長寿の一族。彼女達は不老長寿で、人里離れた村に住んでおり、普通の人間達からすれば特殊な力を持つ伝説の存在でした。そして同じく伝説の存在である、ドラゴンのようなレナトという生物がいます。この二点から感じられる王道ファンタジー感はファンタジー好きからすれば興味をそそられることでしょう。
物語の始まりは、国王の命令でレナトに乗ってやってきた軍隊がイオルフ達を捕らえることから始まります。王族が不老長寿になれるようにという考えからです。結果的に軍隊の手から逃れたマキアは独りぼっちとなり、そんな時に、野党に襲われて母親を喪った赤ん坊を拾います。
マキアは母として赤ん坊のエリアルを面倒見ることに。
冒頭は引っ込み思案でまだまだ子供っぽいマキアですが、物語が進むごとに強くなっていきます。まさに母親としての成長を見ているようで心温まります。
ですが話が進んで次第に大きくなったエリアルは、やがてマキアに複雑な感情を持つ。その姿は見ている人にも複雑な気持ちにさせてくれます。
マキアとエリアルの想いはすれ違い、何とも息苦しい。まるで現実の本当の親子のようです。そう、血は繋がっていなくても本当の親子に違いない。
物語の後半は苛烈を極めます。
複雑な感情など一切なく、あるのは親子の絆、そして新たな想いのみです。
イオルフであり母親のマキアと、人間であり彼女の子供のエリアル、そんな二人の終着駅は?
キャラクターもストーリーも音楽も、そして声優さん達の演技も、どれも至高の一作。
ぜひ観てほしい作品です。