メイドインアビス / Made in Abyss

メイドインアビス / Made in Abyss

『メイドインアビス』とは、つくしあきひとによる日本のファンタジー漫画作品である。
作者のつくしあきひとは、ゲーム会社でデザイン等を行い、その後フリーのイラストレーターとなっている。本作品にもその経験が活かされ、ファンタジックな美しい背景やイラストが特徴である。
物語はアビスという大穴を冒険する様子が描かれている。主人公リコは人造人間のような見た目のレグと出会い、母を探しながら大穴の奥底に眠る秘密を探っていく。
美しい背景や可愛らしいキャラクターデザインとは裏腹に物語の内容は重く暗いものである。この事に関して、作中のレグの言葉を引用し「度し難い」と表現されることが多い。
テレビアニメは2017年、2022年に放映された。テレビアニメの総集編として、劇場版2019に前編『メイドインアビス 旅立ちの夜明け』、後編『メイドインアビス 放浪する黄昏』がそれぞれ公開された。2020年には新作劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明』が公開された。

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メイドインアビス / Made in Abyss
10

次回作へと物語は続く……。

第7話Bパートから第13話を再編集し新規シーンを追加した、『旅立ちの夜明け』の続きとなる作品。
原作の都合上やや残酷表現が有り、PG12指定を受けた。
監視基地(シーカーキャンプ)を離れ、更なる下の階層を目指す探検家のリコと、ロボットのレグ。
更に危険な三層を抜け、四層へと降りて来た。
四層で彼女らは『タマウガチ』という猛毒を持つ原生生物と遭遇してしまう。
逃走を試みようとするが失敗し、リコは左手を負傷し、毒を受けてしまう。
再びタマウガチから逃走する為にレグは負傷したリコを抱え、レグの能力である一つの、ワイヤーで伸びる腕を使い、上方向へと逃走するが、四層での上昇時の負荷は、『全身の穴からの出血と激痛』、『幻覚』、『幻聴』という恐ろしいものだ。
それを覚悟で上昇したが、リコは負荷により、大量出血、毒を受けた左手は倍以上に腫れ上がってしまう。
リコは毒を受けた左手を切り落として欲しいとレグに懇願する。
躊躇いながらもリコの腕を折り、そこから切り落とそうとするも、リコの呼吸が止まってしまう。
悲しみの余りリコの名を叫ぶレグの前に、長い耳を持つ人物が現れ、人工呼吸をするようにとレグを指示する。
その後、長い耳の人物は自分のアジトにリコとレグを連れて行き、毒と折れた腕の処置を施す。
長い耳の人物は、『ナナチ』と名乗り、人間性を喪失する六層の負荷を受けた『成れ果て』だという。
ナナチは、崩れた肉塊のようなものと一緒に暮らしていた。
肉塊のようなものの名前は『ミーティ』といい、このような姿になる前は可愛らしい少女だった。
ナナチはミーティを『宝物』と呼び、大切にしている。
ミーティもナナチ同様『成れ果て』であり、毒を自分の身体で治せる等、何をしても死ぬ事の無い不死の身体を持っている。
レグはリコが回復する間、ナナチにより上昇負荷である『アビスの呪い』の教授を受け、その際再び遭遇したタマウガチをレグのもう一つの能力、強力な熱光線、『火葬砲(かそうほう)』を使い、打ち負かす。
レグの能力を見たナナチはレグに「頼みがある」 という。
その頼みとは、「ミーティを殺してくれ」というものだった。
戸惑うレグがナナチから聞いた過去はそれは酷いものだった。
ナナチは、ボンドルドという男性の誘いの言葉を受け、数十人程の子供達と共に五層までやってきた。
そこで、ナナチとミーティは親友となり、暫くは本を読む等をして過ごした。
しかし、ボンドルドが子供達を連れて来た理由は、六層の上昇負荷である『人間性の喪失』を回避する研究をする為だった。
二つの昇降機の、ミーティは呪いを押し付けられる側、ナナチは呪いを押し付ける側へと乗せられ、六層に落とされた後、五層へと引き上げられる。
その際、ナナチは獣のような姿に、ミーティは身体が溶けたような姿に変化してしまった。
不死故に幾度も酷い実験をされるミーティを連れ、ナナチはボンドルドの元から逃げ出したのだ。
ナナチの頼みに躊躇いを持ちつつも、『ミーティを送ってリコの治療を終えた後も自ら命を絶たない事』を約束とし、レグはありったけの思いでミーティを『火葬砲』で送り出した。
リコの意識も回復し、腕の治療やリハビリや補助器具の制作を終えた後、リコ達は再び旅立つ。
その旅にはナナチも加わっている。
希望的な旅立ちの裏で奇妙な器具を見つめるボンドルドの姿。
彼女等の旅は、次回作の『メイドインアビス 深き魂の黎明』へと続く。