もののがたり

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もののがたり
8

迫力あるアクションと、徐々に紐解かれる謎あり

この作品は、付喪神とそれを管理する者たち「塞眼」、そして付喪神たちに神として扱われる少女の物語です。
この作品の世界では、付喪神は塞眼の管理の元、現代社会の中でひっそりと暮らしています。主人公は、塞眼として才能豊かであった兄と姉を、付喪神に殺され、付喪神全体への不信感を抱いた塞眼として登場します。
そんな主人公が、塞眼の長である祖父から任されたのは、付喪神に守られて育った少女の護衛役。その少女の中には、実は付喪神たちが神と崇める存在が…。その存在を表に顕現させたり、少女の正体を悪い付喪神たちに知られてしまえば、世界のバランスが崩れるほどの大きな変化が起きてしまう可能性があるとされます。
彼女を守る付喪神たちと、衝突しながらも徐々に打ち解けていく主人公。少女との絆を深めつつ、守りきると誓う主人公の前に現れたのは、かつて敬愛する兄と姉を殺した付喪神たち。
彼らも少女を狙って行動を開始したのでした。守るべき存在と、愛する者の仇を目の前にして、主人公は戒めとして封じてきた本来の力を解放していきます。
ストーリーの掘り下げは、そこまで深くありませんが明かされていない謎が徐々に解き明かされていくことと、主人公と少女が絆を深めていくことがリンクしていく流れは、とても心地良く読めます。二人の間には、行き違いやドロドロしたことは生じず、真っ向からお互いを信じ合っていく真っ正直な展開です。
そしてなによりも、アクションが多めで迫力があります。戦闘シーンは多角的にダイナミックに描かれており、その点でも読み応えがあります。是非ご一読下さい。