カート・コバーン

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カート・コバーン
8

ネガティブのまま世界を変えたロックスター

カート・コバーンは伝説的なアメリカのロックバンドNIRVANAのボーカル&ギタリスト。彼が登場する以前の80年代のロックスターというのはきらびやかで、女と酒が好きで、髪型も曲調もポジティブさを爆発させているイメージでしたが、そんなイメージとは対極するような「暗さ」を隠すことなく全面的に打ち出したNIRVANAの登場で、ロックシーンは一変します。その暗さの中核を担っていたのが アメリカ合衆国 ワシントン州アバディーンという町で生まれたカート・コバーンその人。彼の作る曲はどんなに激しい演奏をしてもどこか影が感じられ、聴いて想起させられるのは怒りや焦りや悩みなど、まさにネガティブそのもの。代表曲である「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」ですら、間奏部分のギターソロを聴くとまるで嵐の中に一人立っているような、独特なやるせなさを感じます。カート・コバーンのネガティブ気質は生まれ育った環境(両親の離婚、高校中退)によるものが大きいのでしょうが、もともと感受性の強い天才肌だったのでしょう。彼の作る曲や歌詞には気負いや作為はあまり感じられず、出来るだけ自然に振舞おうとしているように思えます。最後にお勧めのアルバムを紹介します。「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」が入っている「ネヴァーマインド」ももちろんお勧めですが、個人的にはその次の「イン・ユーテロ」が好きです。前作ほどの派手さやキャッチ―さはないものの、粗削りなサウンドをそのまま残した感じは、カート・コバーンのスタイルとよくマッチしていると思います。激しいのがお嫌いなら「MTV・アンプラグド・イン・ニューヨーク」もお勧め。より自然な彼の歌とギターが聴けます。自分はネガティブな人間だ…と感じている人にぜひ知ってほしいアーティストですね。