新感染 ファイナル・エクスプレス / Train to Busan

新感染 ファイナル・エクスプレス / Train to Busan

『新感染 ファイナル・エクスプレス』とは、韓国のゾンビ映画である。監督は、アニメーション監督であるヨン・サンホ。高速鉄道の中でゾンビのパンデミックが起き、そこに居合わせた人々の人間関係を描いた作品である。韓国では2016年、日本では2017年に公開され、数々の賞を受賞。車内という閉ざされた場所でパンデミックが起こる恐怖と、親しい人間がゾンビに感染することで変化していく感動的な人間関係が話題を呼んだ作品である。

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新感染 ファイナル・エクスプレス / Train to Busan
9

韓国製ゾンビ映画の快作

アニメーション監督でもあるヨン・サンホによる韓国が舞台のゾンビ映画。ゾンビ映画と言えば欧米のものが有名だけに、見る前はどんな感じだろう?と多少不安でしたが、始まってみると、スピード感、緊迫感、そしてドラマ演出の巧みさによって、食い入るように鑑賞することができました。主人公はコン・ユ演じるソ・ソグ、彼は娘の誕生プレゼントに何を選んだらいいかすらわからない仕事人間なのですが、その娘スアンの希望によって母に会いに二人で釜山に向かうことになります。移動手段はKTX(韓国高速鉄道)。しかし発車直前に駆け込んできた異様な乗客が突然乗務員を襲い、噛みつかれた乗務員もゾンビに…そして感染は一気に広がり…というのが大まかなあらすじ。決してオリジナリティあふれる脚本ではないですが、襲うのも襲われるのも同じアジア人という事もあって感情移入しやすく、舞台も新幹線なのでリアリティがあります。そして特筆すべきは感染の「速さ」でしょう。この手のゾンビ映画は襲われた人間が死亡して、しばらくたってからゾンビ化するのが一般的だと思うのですが、この映画はとてつもなく速い、噛まれたあとちょっとバタバタしていると思ったら、すぐに立ち上がり、ほかの乗客に襲いかかります。この「速さ」によってスピード感あふれる演出がより際立っています。またさっきまで親友や仲間だった人物があっという間に豹変する…という残酷さもなかなかホラー感があり、良かったです。韓国らしいウエットさもちゃんとあり、ソグのラストはなかなか泣かせます。近年見た欧米を含むゾンビものと比較しても秀逸な出来の映画です。おススメです。