煙と蜜

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煙と蜜
10

「煙と蜜」の魅力

漫画誌ハルタからでたこのマンガは大正時代の名古屋を舞台にしていて、とある一組の許嫁たちを中心に大正を生きる人々を描いた作品です。
尋常小学校六年生の花塚姫子には陸軍少佐の土屋文治という十八歳年上の許嫁がいます。
姫子は祖父、病気療養中の母、姉のように慕う四人の女中たちと暮らしながら日々許嫁の文治にふさわしい女性になろうとしています。
文治はそんな姫子の様子をゆっくり穏やかに見守り、時に姫子を助けたりします。
そんな二人がそれぞれの思いを持ちながら大正という時代で生きていく様子を、このマンガは丁寧に心情の流れを動かし、急ぎすぎないテンポで描いています。
とにかくこの二人の距離感が絶妙で姫子の努力する姿は愛らしいですし、そんな姫子に話しかける文治は大人の男性としての魅力が姫子と読者の胸に刺さります。
二人の周りにいる人々も個性的な人たちばかりで、年の差がありすぎる二人に色んな形で関わりマンガの個性を引き立たせています。
少女漫画の初々しいラブストーリーのように読者をキュンとさせますが、大正という時代の個性もきちんと描いているのでラブストーリー以外の一面も見られます。
ぜひ一読してみてはいかがでしょうか?