不能犯

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不能犯
5

原作と映画で区別して楽しむもの

原作は漫画ですが、作中の中心人物が原作では男性、実写版映画では女性に変更されています。
また、原作が少々特殊なジャンルであるため、映画にアクション性を求める人は物足りなさを感じると思われます。
実写版映画は原作を忠実に再現した実写と言うよりは、いわゆる原作ベースのオマージュ作品という見方が的確かと思われます。
主演を大人気俳優の松坂桃李が務めており、彼の演技が作品にマッチしていて、原作独特の世界観を表現出来ています。その分、それ以外のキャストには少々不満を感じてしまう可能性があります。
原作に入れ込んでいる方にとっては不満を覚える出来であることは否定できません。
しかし、実写映画単体で見た場合は特筆して挙げられる不満はなく、むしろ一つの映画の尺の中で上手く纏まっているなと感じられる出来でした。
いわゆるSFチックなサスペンス映画という表現が適切ではないでしょうか。
万人にお勧めできる作品ではないかもしれませんが、人によっては良い作品だと感じられるだけの要素は含まれていると感じます。
つまり癖のある作品ということですね。
ハマる人は松坂桃李のミステリアス溢れる演技とそれによって繰り広げられるダークな世界観を楽しめることでしょう。