ヴェノム / Venom

『Venom(ヴェノム)』とは2018年、マーベル・コミックのヴィランであったキャラクターをメインとして作られたルーベン・フライシャーが監督のスーパーヒーロー映画である。公開され3日で世界興行収入2億ドルを突破した。1987年に初めて登場し、それからはスパイダーマンと対峙するキャラクターとしてコミックで描かれているが、映画ではダークヒーローとして悪の人間と戦うという物語になっている。ヴェノムというのは地球外生命体である”シンビオート”の「ヴェノム」が主人公である「エディ・ブロック」に寄生してできたキャラクターであり一人称は「We(俺たち)」である。地球上であれば最強になれるというヴェノムに対し正義感の強いエディは”いい人間は傷つけてはいけない”と教え、二人で悪い人間に立ち向かう。ヴェノムと主人公の絶妙なコンビネーションによって成されるスリリングなアクションシーンだけでなく、二人の掛け合いによるコメディー的な要素も含まれている作品。

dsukedycのレビュー・評価・感想

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ヴェノム / Venom
7

シンプルにスピーディに楽しめるエンタメアクション

地球外生命体を利用した人体実験を繰り返し、悪事を企む研究者と、彼に仕事も恋人も奪われた元記者がその地球外生命体=ヴェノムに寄生されたことから反撃に転じていくアクション要素の高いエンタメ作品です。
正義心があるものの行き過ぎたところのある記者には人間味があり、落ちぶれっぷりには同情心すら呼ぶほど親近感のあるキャラクターで好感が持てます。そしてこの主人公にヴェノムが寄生しますが、その奇妙なコンビっぷりが面白おかしく、新鮮味がありました。人間を食う食わないのやり取りが、なんとも面白いです。
ハリウッドといえばのカーチェイスを交えたアクションなども洗練されていて、爽快感すら覚える派手な展開を楽しめます。人間サイドの話は別れた恋人とよりを戻すかどうかなどシンプルなものですが、だからVS悪徳研究者、というわかりやすい本筋にすっと没頭でき、難しいことを考えなくてもただ楽しいという感覚に任せられる映画でした。
ヴェノムの造形は人によってはニガテな人もいるかもしれません。ただ動いてしゃべっているのを観ているうちに、だんだんと可愛げのようなものを覚えてくる人も少なくはないのではと思います。割とグロテスクに口が裂けて舌からよだれをたらして人間も食べてしまうようなイキモノなのに、可愛げをも感じてくるので、性格づくりが上手いな、と感じました。