20世紀少年 本格科学冒険漫画 / 20th Century Boys / 21世紀少年 本格科学冒険漫画 / 21st Century Boys

『20世紀少年 本格科学冒険漫画』とは、1999年から2006年まで『ビックコミックスピリッツ』(小学館)で連載された、浦沢直樹による青年漫画である。この作品の完結編は、2007年1月から7月まで同雑誌で連載された。タイトルはロックバンドT・レックスの『20センチュリー・ボーイ』に因んでいる。コミックスは全22巻、完結編全2巻が刊行され、累計発行部数は3,600万部を超えた。
物語は2000年前後の日本で、「ともだち」と呼ばれる謎の人物が画策する世界滅亡に、主人公の遠藤建児(えんどうけんじ)やその姪遠藤カンナ(えんどうかんな)が、仲間と共に果敢に挑む姿を描いている。
2001年に「第25回講談社漫画賞」の一般部門、2002年には「第48回小学館漫画賞」の青年一般部門、「第6回文化庁メディア芸術祭」のマンガ部門で優秀賞を受賞した。さらに2008年には「日本漫画家協会賞」で大賞、「第39回星雲賞」のコミック部門を受賞した。
海外では2003年に「アングレーム国際漫画祭」の最優秀長編賞を受賞した。実写映画は2008年から2009年にかけ、監督堤幸彦で3部作が公開された。遠藤健児を唐沢寿明、遠藤カンナを平愛梨が演じた。

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20世紀少年 本格科学冒険漫画 / 20th Century Boys / 21世紀少年 本格科学冒険漫画 / 21st Century Boys
9

昭和の時代を生きた人から生まれた極上のSF漫画!

浦沢直樹先生の代表的な漫画で、数々の賞を受賞している文化的な作品です。
高度経済成長の中にある日本の時代から始まるストーリーで、大人になった主人公たちが子供の頃に空想で生み出した悪の組織が実在し、人々を襲い、やがて日本の国そのものに大きく影響を及ぼしていってしまうという物語です。高度経済成長という夢と希望に溢れ、科学力が大きく進歩した時代が故にこんなことがもしかしたら起きたかもしれないという説得力のある背景や宗教的な悪の団体の描き方のリアル感が恐ろしく、この漫画の日本はどうなってしまうのかと次々とページをめくってしまう中毒性があります。未来に向けてロマンや創造力に溢れていた昭和の時代を知っている方は特に病みつきになるのではないでしょうか。そして、巨大な悪の組織に立ち向かう、決して人並み外れた能力を持っているわけではない主人公たちが大人という立場に置かれた環境の中で、散り散りになりながらもそれぞれが動いていく姿もかっこいいです。なんと言っても自分たちの空想でしかなかった組織がどうして日本を変えるほどの組織になったのか、生まれたのかを様々な伏線から考察していく楽しみは、他の漫画にはない面白さだと思います!