仕事してないキミがすき

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仕事してないキミがすき
8

ニート男子の存在が救う少女の心

母を過労で亡くし一人で娘を支えようとした父もまた過労で命を落として遺された少女「ののん」が、 仕事によってずっと寂しい想いをした挙句に「仕事によって両親の命が奪われた」と考えてしまうことは無理からぬことだと思います。

そして、心優しく真面目すぎるゆえにニート生活を送りながら罪悪感にさいなまれる「きいち」青年。

ののんは彼の母に引き取られ共に暮らすことになります。皮肉にも彼が仕事をしてないことによって、また死別することへの恐怖が和らげられ、次第に彼の人間性自体に惹かれていく姿に癒されました。

ののんのきいちへの好意は次第に恋愛感情のように見え、いつかは二人で生活することになるのだろうか、とも考えます。
そうなるとののんの「仕事」というものへの恐怖が収入に対する障害となりそうですが、ののんも理屈では仕事と収入の必要性は理解できていて、感情でそれを受け入れたくない状態なので二人なら乗り切れると思います。また、これはののんの成長だけでなく、きいちも彼女と関わることと彼女への責任感を成長のきっかけにして、働けるようになるのではないかと感じさせられます。
そして二人がもつ仕事への恐怖と彼らの成長は、最終的に過労のない適切な労働をする判断力と意義を与えてくれるのだと思います。