パッセンジャー

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パッセンジャー
8

宇宙を移動する恐ろしさ

地球から別の惑星に移動する5000人を乗せた巨大宇宙船にアクシデントが起こる。冬眠装置で120年の眠りにつくはずが、宇宙船が小惑星体につかまりシステム異常が起こる。
その異常により、わずか30年で冬眠からただ一人目覚めさせられてしまったエンジニアである主人公ジム。現状を打破しようと奔走するが、その宇宙船には異常事態に対応出来るバックアッププランを備えていなかった。やがてアンドロイドバーテンダーのアーサーが話相手になる。
絶望に打ちひしがれるジムを唯一元気付けたのが冬眠中の女性作家オーロラ。彼は、彼女に一目ぼれしてしまう。1年間悩んだ結果、彼は彼女を事故に見せかけて冬眠装置から目覚めさせてしまう。このことは、アーサーとの秘密であった。やがて二人は結ばれる。ある日アーサーの一言から事実がバレてしまう。取り乱すオーロラにジムは何も出来ず疎遠になってしまう。
月日が流れ、またもや宇宙船の異常により甲板長のガスが目覚めてしまう。彼のおかげで宇宙船へのアクセスが可能となり、事態は好転すると思われた。しかし、宇宙船はさらに大きな機能不全を起こし停止破壊寸前となってしまう。3人で宇宙船の異常原因を突き止めようとした矢先、ガスは冬眠装置の異常が原因で臓器壊死を起してしまう。そして、ジムとオーロラに原因を突き止めるようアクセス権を託して息絶えた。ガスの手助けがあったおかげで、2年前の小惑星体衝突が原因で核融合炉が機能停止寸前であることが分かる。修復には核融合炉から熱を排出する必要があるが、排出口を手動で開けなければならず、ジムが自分を犠牲にして作業を行った。彼は心停止したが医療ポッドのおかげで息を吹き返す。宇宙船も正常に戻り、予備の冬眠装置もあることが分かる。しかし冬眠装置は1台しかなく、ジムはオーロラに贖罪の意味を込めて、装置を使うように伝える。
88年の月日が流れ、宇宙船の旅路も終わりに近づく場面に変わる。目覚めた乗組員達がフロアで見たものは、一帯を覆う緑の木々と、その中心にジムが植えた木であった。作家であるオーロラのアナウンスと共に88年前の真実が語られることになる。オーロラはジムと人生を共にしたのである。