セトウツミ

セトウツミ

『セトウツミ』とは『別冊少年チャンピオン』にて2013年から2017年まで連載された此元和津也(このもと かづや)による漫画作品とそれを原作とした映画、ドラマ作品。大阪のとある河原で男子高校生内海(うつみ)と瀬戸(せと)が他愛もないおしゃべりをする姿を描くコメディー漫画。漫才のような二人の会話が人気だが、最後に大きなどんでん返しがあることでも有名。2016年に池松壮亮と菅田将暉のダブル主演で映画化され、翌2017年には高杉真宙と葉山奨之のダブル主演でドラマ化もされた。

tabutitetuo25のレビュー・評価・感想

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セトウツミ
9

まさにオモシロ言い回しワンオアワンやで

具体的な地名も不明な、関西のある川辺で巻き起こる(?)とある少年二人の掛け合いを集めて、コミックにした作品です。
主人公は天才的な頭脳を持つクールなメガネ男子と、元サッカー部エースの明るく活発系男子。キャラクター設定としてはありがちにみえますが、この二人の台詞やどこか抜けた発言には他に類を見ない絶妙なセンスが感じられます。二人ともどこかワケありなのですが、突飛な遊びを提案したり、やりとりの中でとんでもない視点がうかがえたりと、二人の言動挙動に目が離せなくなります。
また、彼ら以外の登場人物も魅力で、活発系男子が想いを寄せる子が、実はメガネ男子に恋心を抱いていたり、その活発系男子を遠くから見ていた後輩の女の子がいたり。二人の遊びの審判役を務める子がジェラシーを感じたり、一風変わったお互いの両親が登場して男子二人の気持ちを揺さぶったり、ときに思いつめてしまったり。
どこか気の抜けた会話を交し合う二人が、ときに重々しくもある青春期の葛藤や人間関係に苦しむ様もリアルに描かれています。
会話の中には人生訓や、哲学じみたものもたくさんありますが、関西弁や二人の絶妙な語調でゆるく胸に響いてきます。幅広い世代にお薦めできます。