祈りの幕が下りる時

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祈りの幕が下りる時
10

事件が解決する度、なぜかハートフルになる作品!

東野圭吾さん著書の推理小説を実写化した作品です。阿部寛さん扮する日本橋の所轄刑事、加賀恭一郎が謎を解いていきます。「新参者」シリーズの最終章といっても過言ではない作品になっております。
「新参者」は、優秀でありながら所轄の刑事をする変わり者の加賀恭一郎が人形町で起こる事件を解決していく小説で、TBSのドラマとしても実写化されました。人間の優しさ、ちょっとした弱さを見抜く加賀恭一郎だからこそ解決できる事件が次々と起こり、推理小説でありながらもホームドラマを見ているような気持ちになれるのが見所でした。
そのシリーズの良さが今回も存分に発揮され、それだけでなく原発現場で働く作業員の過酷な状況なども描かれおり、東日本大震災後の世相を表した場面も盛り込まれています。人間愛だけでなく、世の中の暗い部分にもスポットが当てられ考えさせられます。
今回は、都内のアパートで起きた殺人事件と恭一郎の管轄で発見されたホームレスの焼死体、一見関係のない2つの事件の間に何やら関係が少しづつ見えてきて、というストーリー。ただし、謎解きよりも事件に関わってくる、シリーズで一貫して謎だった恭一郎の母についてが一番の醍醐味になっています。
事件の関係者と思われる松嶋奈々子扮する女性の振る舞いも気になり、事件の謎よりもとにかく人の心の動き、それが最大の見所な作品になっています。