第三の男 / The Third Man

第三の男 / The Third Man

『第三の男』とは、1949年に公開されたイギリスのミステリー映画である。日本初公開は1952年。
舞台は敗戦直後のウィーンの街。主人公の作家ホリーは、事故死した旧友ハリーの死の真相を知るべくウィーンの街を尋ね歩く。ハリーの愛人の女優アンナとの出会いや、事故現場にいた正体不明の「第三の男」の存在を突き止めるも、関係者は殺害されてしまう。「第三の男」の正体やハリーの死の真相を巡り、友情・愛情と正義感の間で揺れ動くミステリー作品。ウィーンの地下で繰り広げられる追跡劇やラストシーンなど、映画史に残る名シーンの数々で高い評価を博している。
脚本はグレアム・グリーン、監督はキャロル・リード。特徴的な民族楽器ツィターで奏でられるアントン・カラス演奏のテーマ曲も世界中で大ヒットした。第3回カンヌ国際映画祭受賞。1950年度アカデミー賞撮影賞(白黒部門)を受賞。1959年から1965年にはテレビドラマ化もされた。

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第三の男 / The Third Man
10

第三の男

第三の男は1945年のイギリス映画です。
監督はキャロル・リードです。
モノクロで古い映画ですが、最高に面白い映画です。
脚本も素晴らしいですが、カメラワークが最高です。
撮影スタッフも優秀な人たちがそろっていたのだと思いますが、とにかく初めて観たとき鳥肌が立ちました。
この監督は本当に凄い人だと思いました。
そして主演のオーソン・ウエルズの圧倒的な存在感、暗闇の中から現れるハリー・ライムの顔、夜の街の逃走劇、観ていてわくわくします。
うすめたペニシリンを売りさばきぼろ儲けしたハリー。
ハリーが親友のホリーに、観覧車に乗りながら下に見える人々を虫けらのように言う場面は、何か戦争に加担した独裁者のようで、とても怖く印象的です。
ホリーは、ハリーがやった事があまりにも酷いと思い、ハリーの恋人のアンナを助ける条件で警察に協力します。
この映画は戦争、政治、ヒューマニズム的な要素も含まれていますが、その様な事をあまり気にしないで観た方いいかもしれません。
ラストシーンでホリーがアンナを待つシーンの解釈は、観た人がそれぞれ考えた方が良いのではないかと思います。
テーマ曲も有名で素晴らしいです。
とにかく映画が好きな人にはぜひ観てほしい作品です。