ベルサイユのばら / ベルばら / The Rose of Versailles / Lady Oscar

『ベルサイユのばら』とは、1972年21号から1973年52号まで『週刊マーガレット』(集英社)で連載された、池田理代子による少女漫画である。物語はルイ15世末期からフランス革命でマリー・アントワネットが処刑されるまでのフランス史を、男装の麗人オスカルとその従卒アンドレを中心に描いている。
本作は、作者がオーストリアの作家シュテファン・ツヴァイクの小説『マリー・アントワネット』に感銘を受けたことをきっかけに、同小説を参考にして執筆された。
コミックスは単行版が全14巻、文庫版が「集英社漫画文庫」で全10巻、「集英社文庫」で全5巻が刊行された。他に『愛蔵版 ベルサイユのばら』(中央公論社)全2巻、『ベルサイユのばら 完全版』(集英社)全9巻が刊行され、廉価版『ベルサイユのばら』(講談社)全6巻、『ベルサイユのばら 豪華限定版』などこれまでに多くのコミックスが刊行された。累計発行部数は、2013年12月時点で2,000万部を超えた。
テレビアニメは1979年10月から1980年9月まで放送され、2014年と2015年にはデジタルリマスター版が放送された。劇場版アニメは、フランス革命200周年にあたる1990年に公開された。宝塚歌劇団では1974年の初公演以来再演を繰り返し、2014年6月には通算観客動員数500万人を記録し宝塚歌劇団史上最大のヒット作となった。

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ベルサイユのばら / ベルばら / The Rose of Versailles / Lady Oscar
8

フランスの歴史に興味を持てます

ベルサイユのばらは、フランス最後の王妃となったマリー・アントワネット(実在の人物)、スウェーデンの貴族でマリー・アントワネットの愛人であったハンス・アクセル・フェルゼン伯(実在の人物)、男装の麗人でフランス人貴族のオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ(架空の人物)の3人の主人公の人生を描いた物語です。
時代考証がとても緻密になされており、歴史上に実在した人物がたくさん出てきます。主人公の一人であるオスカルは架空の人物ですが、とても魅力的に描かれています。
14歳でフランス王太子の妃として嫁いできたマリー・アントワネットに仕えていたオスカルですが、徐々にフランス王制の在り方に疑問を持ち始め、最後には伯爵である身分を捨て、フランス革命に身を投じて散ってゆきます。
フランス衛兵の隊長であったオスカルが市民側に寝返るわけですが、これは実際にフランス革命のバスティーユ牢獄陥落の際にあった史実です。主人公3人がそれぞれ悩み、葛藤しながら、成長してゆく様が魅力的に描かれています。
幾度となく宝塚歌劇で舞台化されている理由がこのマンガを読めばすぐに分かるはずです。ベルサイユのばらは、単なる少女マンガの域を超え、歴史マンガともいえる傑作です。