アオアシ

tomKo541さんのレビュー・評価・感想

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アオアシ
10

サッカー漫画界に現れた”眼”が良い主人公

「アオアシ」はビッグコミックスにて掲載されているサッカー漫画であり、チーム内のいざこざ、志望ポジションにつかせてもらえない、などの苦難を乗り越えていく主人公に熱い思いがこみ上げてくる。そんな魅力を秘めた漫画です。主人公である「青井葦人」は、地方の公立中学のサッカー部でプロを目指す、ワンマンプレイの目立つFWでした。四国大会出場をかけた中学最後の試合で葦人が三得点するも、相手チームに敗れます。チームメンバーが泣いているのを見て、いたたまれなくなった葦人が堤防の周りをずっと走り続けていると、その様子をずっと見ていたある男が葦人に走るのを辞めろと声を掛けます。それを聞き倒れ込んだ葦人が目を開けると、声をかけてきた男が見とれるほど見事な足さばきでボールをコントロールしていたのです。男は口を開くと「この技術があれば後三点取れていた」と言い放ちました。その言葉で火が付いた葦人はその場で夜明けまで練習しますが、結局ボールを上手くコントロールするには至りません。その様子を見かねた男は再び声をかけ、気になっていた葦人の最後の試合の得点シーンについて、なぜお前にボールが集まるのかと葦人に尋ねます。その話を聞いた男は驚愕することになります。なんと葦人は味方と敵の配置を各得点場面ごとに全て覚えていたのです。ここで葦人の天性の才能が発覚します。「アオアシ」の主人公である葦人は“眼”が良いというサッカー界、サッカー漫画界において非常に稀有な才能を持った主人公だったのです。そしてその事に興奮を隠しきれない男は、ユースセレクションを受けに来いと葦人を勧誘します。なんと葦人に声をかけてきた男は東京シティ・エスペリオンFCユースの福田達也監督だったのです。福田監督は葦人に「世界に連れて行ってやる」と言い残します。その誘いに乗った葦人は見事ユースセレクションに合格しましたが、それが苦難の日々の始まりでもありました。幼い頃からユースに所属していたメンバーとセレクション合格者とのサッカー観の齟齬。周りとの基礎的なボールコントロールの差。FWとして世界に出るうえで、努力では埋められない葦人に決定的にかけているもの、、、。新しい壁にぶつかっては悩み、成長していく葦人には一時も目が離せません。サッカー未経験者でもかなり基礎的なところから不自然なく解説をしてくれるので、話の流れや、葦人がどのような壁にぶつかっているのかが非常にわかりやすいです。以上の理由も含めて「アオアシ」は、私が胸を張ってお勧めできる作品の一つになっています。