荒野のドラゴン

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荒野のドラゴン
10

マカロニ+空手の異色作!

60年代後半のマカロニウェスタンブームと70年代半ばのドラゴンブームが奇跡の融合を見せた異色のマカロニウェスタン。
19世紀後半のテキサスを舞台にカウボーイになるべく中国から渡ってきた空手使いの若者「上海ジョー」が、街を支配する悪辣なボスの怒りを買ったことから、暗殺者から狙われるも得意の空手で一掃するまでを描く。
主人公の「上海ジョー」を演じるチェン・リー(実は日本人の早川明心)は初主演ということもあり、素人っぽさ抜けないものの、ドラマ自体が特異な設定故にある種の存在感を与えているのも事実。
しかしそこは「面白ければ何でもアリのマカロニウェスタン」の世界だけあって、銃やナイフといった飛び道具を操っては執拗に狙ってくる殺し屋との対決は見ものとなっていて、クラウス・キンスキーやゴードン・ミッチェル、ロバート・ハンダーといったマカロニではお馴染みの個性派俳優の若干変態じみた悪役ぶりは俄然映画を盛り上げてくれる。
そして最後には、かつて「上海ジョー」と同門で腕を磨きながらも悪の道に走り、殺し屋となった「ミクリヤ」との死闘という最大の見せ場まで用意されていてぬかりはない。
おそらく「イタリア人が想像した少林寺?」のようなシーンもあり、多少苦笑いしつつも心底楽しめる作品に仕上がっているのは間違いない。