僕のヒーローアカデミア / ヒロアカ / My Hero Academia

僕のヒーローアカデミア / ヒロアカ / My Hero Academia

『僕のヒーローアカデミア』とは、堀越耕平が『週刊少年ジャンプ』で連載している漫画、及びそれらを原作とするアニメ、ゲーム作品。舞台は多くの人が超常能力「個性」を持つことが当たり前の世界。そこでは個性を悪用する敵(ヴィラン)を取り締まる「ヒーロー」が憧れの存在となっていた。ヒーローを夢見る少年、緑谷出久は何の能力を持たない「無個性」だった。これは出久が「最高のヒーロー」になるまでの物語である。

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僕のヒーローアカデミア / ヒロアカ / My Hero Academia
7

日本のアメコミ、ヒーローたちの葛藤と努力の物語

僕のヒーローアカデミアは2021年時点、週刊少年ジャンプで連載中の漫画。2021年にもアニメ5期の放送が決定している。

・あらすじ
人類の8割が「個性」と呼ばれる特異体質をもって生まれる超人社会。その中で「個性」を悪用する「ヴィラン」の台頭により職業としてのヒーローが現れる。主人公・緑谷出久は、No.1ヒーローのオールマイトに誰よりも憧れ、ヒーローになりたいと願う少年。しかし、自分が「無個性」であることを宣告され、事実上ヒーローの道を絶たれてしまった。緑谷には優れた「個性」を持つ幼馴染、爆豪勝己がいる。彼もヒーローを志望し、オールマイトに憧れた少年であった。2人はヒーロー輩出の名門校である雄英高校を志望するも、緑谷は「無個性」であるがゆえに爆豪をはじめとした周からは厳しい目を向けられていた。ある日、緑谷は爆豪が「ヴィラン」に襲われている現場に出くわし、「無個性」にもかかわらず飛び出してしまう。それをきっかけにNo.1ヒーローの重大な秘密を知ることとなり…。

・作品の魅力
作品の魅力は大きく絵と内容の2点だ。
まず絵について、「ヒーロー」「ヴィラン」という用語を使っている点からもなんとなく察しが付くが、絵もアメコミチックな作画となっておりとてもきれいで見やすい。漫画において絵柄の好みや上手さはそれだけで作品を読む動機になりうる。また、漫画からアニメ、アニメから漫画どちらをはじめに見ても絵柄のギャップが少なく、抵抗なく見ることができる点も最大の魅力である。特に、漫画からアニメになると原作の絵柄が活かしきることができないことがあるため、それが原因の「ちょっと違うかも…」という経験がある方にはおすすめだ。
次に内容について、1人1人の登場人物の過去について丁寧に紐解かれていく点が魅力である。緑谷のヒーローを諦めざるをえなかった過去、緑谷の同級生・切島の同級生を助けたかったのに助けられなかった過去等、様々な登場人物が自分の無力さに打ちひしがれ立ち止まり、そしてここまでどうやって歩いてきているのかを大切に描いている。それは過去の描写としても登場するが、現在までの展開の伏線として貼られていることも多い。そのため「ここまでこういうことを描いてきたのはこのためだったのか……」と衝撃を受けることもあり、定期的に見返すのも楽しい作品だ。また、キャラクターごとのストーリーと同時に、過去から現在にかけて、幼馴染の緑谷・爆豪の関係性の変化にもぜひ注目して読んでほしい。ぶつかり合いながら2人の距離感がどんどん変わっていく様子がどこかむずがゆく、2人のどちらかの要素に必ず、あなたが共感しうるポイントがあるだろう。