大神

大神

『大神』とは2006年にCAPCOMより発売されたPlayStation 2用アドベンチャーゲーム。
古代日本や昔話をモチーフにした世界観であり、水墨画を思わせるグラフィックが特徴。伝説の大神であるアマテラスが、イッスンら仲間たちと共に妖怪たちと戦い、荒廃した世界を蘇らせていく。第10回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門大賞受賞、2007年度日本ゲーム大賞優秀賞受賞など、高い評価を受けている。

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大神
8

おとぎ話の世界を体感できる、ネイチャーアドベンチャーゲーム『大神 絶景版』の魅力をご紹介します!

日本神話やおとぎ話、歴史上の人物をモチーフにした、どこか懐かしさを感じる日本の原風景がぎゅっと詰まった世界を舞台に、個性的なキャラクターやストーリーが魅力的なゲームです。
この作品は、2006年にカプコンから発売されたPlayStation 2用ゲームソフト『大神』をHDリマスターしたPlayStation 3『大神 絶景版』をベースに、PC(Steam)、PlayStation 4、Xbox One、Nintendo Switch向けにさらに高精度・高解像度になったグラフィックを楽しめる4K描画にも対応しています。

【あらすじ】
物語は、「むかしむかし」の語り口調から始まります。
舞台は、古代の日本をイメージした世界・ナカツクニ。
英雄・イザナギと真っ白な狼・白野威(シラヌイ)によって封印された怪物・ヤマタノオロチが、戦いの100年後に突如として何者かの手によって蘇ります。
イザナギの故郷であった神木村は、イザナギと共に戦った白野威の像を作り、村の守り神として桜の神木の袂に祀っていました。
ヤマタノオロチが蘇ったとき、ナカツクニ中に禍々しい呪いや穢れが満ち溢れます。
草木は枯れ、大地は荒廃し、人は石像のようにされてしまいます。
その呪いの魔手が白野威の像にも伸びたとき、神木の精・サクヤ姫が自身の力を使って像と神木を守ります。
そしてサクヤ姫の力により、かつて白野威と呼ばれた大神(狼)のアマテラスが白野威像に宿り、復活を果たすのです。
ヤマタノオロチを倒してナカツクニを救う、アマテラスと相棒のイッスンとの一匹と一人の旅が始まります。
ナカツクニ中を旅して困っている人々を助けたり、逆に助けられたりしながら、様々な妖怪を倒して荒廃した大地を復活していく、バトルと感動のストーリーの両方が楽しめる作品です。
特に、ラスボス戦は涙腺不可避シーンとしてプレイヤー達の間で語り継がれており、「バトル中に涙で画面がぼやけてしまう」、「何度見ても泣けるので、プレイ前にティッシュ箱を用意する」といったコメントも、TwitterやYouTube動画のコメント欄で多く見られます。
また、ストーリーやキャラクター、世界観の他にも大神の魅力は随所にあります。

【魅力1. かわいい動物に癒される】
プレイヤーは真っ白な狼姿のアマテラスです。
白い狼という設定ですが、かつてイザナギと共に戦った雄姿の名残はなく、キャラクター達からも「ワンちゃん」など、犬として見られています。
実はアマテラスは、100年前の戦いで傷を負い、その際に持っていた十三の能力のうち十二を失っています。
アマテラスの旅の目的は、妖怪退治だけでなく、その失った十二の力を取り戻していくことにもあります。
その十二の能力をそれぞれ宿している筆神の姿は、アマテラス自身を指した犬(狼)を除いた、十二支の動物達と猫の姿で描かれています。
他にも、普通の動物達も数多く登場しますが、その姿がモフモフで姿も動きも可愛らしくて大変癒されます。
『大神』は、2018年10月5日に「動物キャラクターが主人公の最も評価の高いゲーム(Most critically acclaimed video game starring an animal character)」として二度目のギネス世界記録に認定された作品です。
主人公であるアマテラスはもちろん、他の動物キャラクターの愛らしさに癒されてください!
【魅力2. 世界観に合った独自のシステム】
『大神』は、日本の神話やおとぎ話をモチーフにしたキャラクターが登場する世界です。
そんな和の雰囲気を体感できる土台となるのは、水墨画のような筆のタッチを活かした日本画風のグラフィックスの鮮やかさにあります。
そして、プレイヤーであるアマテラスが使う能力も、和をイメージしたものになっています。
先述で、アマテラスは失った十二の能力を含めて十三の能力が備わっていたと書きましたが、その力は「筆しらべ」という名前で、特定の模様を描くことで、様々な現象を起こすことができる能力です。
画面上に模様を描くとき、場面の時が止まり絵巻物のような演出になります。
そこに「一」と描けば、対象が刀で真っ二つに斬られたように切断されます。
他にも、「∞」の模様で炎が、「三」の模様で風が巻き起こります。
この「筆しらべ」の究極奥義ともいえる技を「大神降ろし」と呼ぶのですが、枯れた桜の木にくるりと大きく円を描くと、桜の花がぶわっと咲き乱れ、花々や光が村を駆け巡り、世界に命が蘇ります。
ゲーム中に何度かその場面があるのですが、毎回このシーンでは感動で震えてしまいます。
また、アマテラスが妖怪退治で使用する武器は、日本神話に登場する伝説の神器「剣」「鏡」「勾玉」であり、バトルシーンも世界観にマッチしたものになっています。

【さいごに】
大神の特徴の一つである、プレイヤーが人の言葉を話さない「狼」であるところに、このゲームがより感動的に楽しめる要因があると考えています。
様々な人々と関わるなかで、相棒であるイッスンは喜怒哀楽を表現しています。
ですが、当のアマテラスは何を考えているのかあまり分かりません。
アマテラスが感情を出さない空白の部分に、プレイする私達の考えや感情を移入することができるのではないでしょうか。
プレイの難易度は低く設定され、難易度を変える設定もありません。
トロフィー獲得や隠されたアイテムをゲットする時にはプレイの工夫も必要ですが、物語を進めていく分には特別難しいということはありませんので、普段ゲームに慣れていない方も最後まで進めていくことができます。
ぜひ、『大神』から得られる感動を体験してみてください!