大神

大神

『大神』とは2006年にCAPCOMより発売されたPlayStation 2用アドベンチャーゲーム。
古代日本や昔話をモチーフにした世界観であり、水墨画を思わせるグラフィックが特徴。伝説の大神であるアマテラスが、イッスンら仲間たちと共に妖怪たちと戦い、荒廃した世界を蘇らせていく。第10回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門大賞受賞、2007年度日本ゲーム大賞優秀賞受賞など、高い評価を受けている。

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大神
7

世代を超えてよみがえる、一筆で楽しめるアマテラスの冒険譚

大神とは2006年にプレイステーション2で発売されて以来15年近く愛されている日本神話や昔話をモチーフにしたアクションアドベンチャーゲームである。
ゲームの主人公は白い狼の姿をした「アマテラス」とその相棒「イッスン」であり、その二人の冒険をプレイヤーは一緒に歩んでいくこととなる。
ゲームの舞台は妖怪によって深い闇に閉ざされた「ナカツクニ」という世界。その各地に散りばめられてしまった闇を払っていくことがアマテラスの使命なのである。
また、ナカツクニでの冒険ではそこに暮らしている人々や人外のキャラクターとの出会いも魅力の一つである。子供のころに聞いたであろう昔話に出てきたような名前の登場人物たちも多く、どこか懐かしい気持ちになりながらプレイすることでより一層ナカツクニの魅力に浸かることがことができるだろう。
ストーリーだけでなく、アクションでは「筆しらべ」が特徴的であり、この作品の魅力をさらに引き出している要素でもある。筆調べでは、世界をまるで日本画のように切り取ってそこに書き加えることで、時に失われたものを復元したり、枯れた草木に再び満開の花を咲かせたり、さまざまな神の御業を体験することができる。特にこの筆調べを利用することでできる「大神降ろし」という、闇を大きく払い、大地に緑を復活させることができるアクションは鮮やかな映像と壮大な音楽とともに生命が復活していく様を五感で体感することができる。
ナカツクニの闇を払うにはさまざまな妖怪を倒していくことが必要となる。それらを倒し、闇を払いながら「アマテラス」と「イッスン」の凸凹コンビがどのように絆を深めていくのか、冒険を通して一緒にプレイヤーも絆を深めていくことができる、大人にだからこそ勧めたいゲームである。