あひるの空 / Ahiru no Sora

あひるの空 / Ahiru no Sora

『あひるの空』とは、日本の漫画作品である。バスケットボールを題材とした少年漫画で、作者は日向武史。スポーツ漫画でもあり、ギャグ漫画でもある。『週刊少年マガジン』にて、2004年に連載がスタートした。
神奈川県川崎市を舞台となっているが、その理由は作者である日向の住居が近いから。資料を集めるのが楽だからという理由で、川崎市を舞台に選んだとのこと。
主人公の車谷空(くるまたにそら)は、九頭龍高校に入学後、高校最初の大会で優勝するという母親との誓いを実現するため、バスケットボール部への入部を志すが、不良たちが集まっており、練習ができる状態ではなかった。この作品では、部員同士のトラブルや、部員と指導者の問題、部員の退部など、実際の部活動でも頻繁に起きていることが多く描かれている。また、部員の学校生活や恋愛、家庭事情など様々なテーマを楽しめるのが特徴である。
2019年にはテレビアニメ化されるなど、人気の作品となっている。

nana1228のレビュー・評価・感想

レビューを書く
あひるの空 / Ahiru no Sora
10

1つ1つのエピソードがいい‼

ギャグがとても面白く思わず笑ってしまうことが多々あった。しかし試合になるとかっこよくなる登場人物が多く、そのギャップに惹かれた。この話の展開における緩急は最高で、読みだすと止まらないことがとてもあった。敵味方ともに背景ストーリーが深くライバル高校も応援したくなる物語であるため、1つの視点でなく多角的視点でこの漫画を読むことができて他の漫画にはないものを感じた。また、結局毎回勝つような漫画ではなくそれどころか何度も挫折を味わっているところにどこか現実味を感じた。初期からいた部員がやめていくところや主人公の母親がなくなってしまうところはとても悲しいがだからこそそれを乗り越える姿に心惹かれる。自分の高校の部活時代を思い出しそれと重ねたくなるような青春の物語であった。しかし、全員に受ける漫画ではないように思える。すなわち好みが分かれる。何かに向かって一生懸命努力したことがある人、それでさらに挫折を味わった人からしたら心打たれることが多く本当にいい漫画と思われる。逆に、漫画には夢や現実離れしたことやファンタジーを求める人からしたらどこか味気なく感じるかもしれない。いい意味でも悪い意味でもスポーツ漫画の枠の中に納まらないかもしれない作品であると思う。