ペンギン・ハイウェイ / Penguin Highway

ペンギン・ハイウェイ / Penguin Highway

『ペンギン・ハイウェイ』は、2010年に角川書店から刊行された森見登美彦のSF小説。第31回日本SF大賞受賞。
研究熱心で気になったことはとことん解明する小学4年生の男子「アオヤマ」は、自らの住む町に突如大量発生したペンギンたちの出現の理由について、調査していく。「ウチダ」「ハマモト」「スズキ」らクラスメイトと調査を進めた「アオヤマ」は、ペンギンの謎が憧れの歯科医院のお姉さんと関係していることを突き止め、謎の解決のために奔走する。小学生の自由研究の延長で起きるSFチックな冒険や、小生意気な「アオヤマ」とそれをかわいがる「お姉さん」の微笑ましい関係性が面白いと話題になり、人気となった。
2018年にはスタジオコロリドの石田裕康監督によりアニメ映画化、屋乃啓人の作画で漫画化されている。アニメ映画は第22回ファンタジア国際映画祭今敏賞(長編部門)と、第42回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞した。興行収入5.4億円。

alex759898のレビュー・評価・感想

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ペンギン・ハイウェイ / Penguin Highway
8

21世紀の理科学少年

ペンギンは好きですか?特にフンボルトペンギンはお好きですか?フンボルトペンギンが好きならば、絶対に見たほうがいい映画です。
海のない学研奈良登美ヶ丘に大量のペンギンが発生。登美ヶ丘にすむ理科学少年がその謎に挑むのが本筋なのですが、本当にいい理科学少年で所謂造成地のエモさと合間って形容の仕様がないほど心がときめきます。何より、少年たちが生駒の山を越えられないのがドラマチックです。あの山は大人には低く子供には高い山だったな、と思い出させてくれます。まぁ、生駒の周囲で育った人間にしかない思い出なのですが。
ただ、関西の話なのにみんな標準語なのは気持ち悪い人には気持ち悪いかも知れません。言葉にストレスを感じない方のほうがおすすめかな。
こまっしゃくれた理科学少年の淡い恋の行方がまた切なくてたまらないのです。
原作は「夜は短し歩けよ乙女」の森見登美彦氏なので、きっと「ペンギンハイウェイ」の少年もいつか京都大学へ進学するんだろうな、そしてこのひと夏の不思議な経験を一生涯をかけて研究しちゃうんだろうなと思うと画面がにじんで何も見えなくなります。
作中に出てくる文房具類が普通の文具店でも入手可能というのもいいですね。
理科学少年とペンギンが好きな方はぜひご覧になってみてはいかがでしょうか?