ファイト・クラブ / Fight Club

ファイト・クラブ / Fight Club

『ファイト・クラブ』とは、1996年に発表されたアメリカの小説家チャック・パラニュークによる同名小説が原作となっている、1999年制作のアメリカ映画である。不眠症で悩む会社員「僕(エドワード・ノートン)」はある日火事が原因で住む家を失くし、謎の男タイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)の家に居候することになった。「泊めてもいいが条件がある。俺を殴れ」という突拍子ないタイラーの言葉をきっかけに、二人はお互いを殴り合う行為にハマっていく。

kh19940824のレビュー・評価・感想

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ファイト・クラブ / Fight Club
8

今の自分に自信を持て

初めてこの映画を見たのは、週末のテレビのロードショーでした。その当時は学生で、当時は学業の成績もよくなく、また部活に打ち込んでみても、思っている程のめり込めなく結果もでない、何か鬱々とした日々を送っていました。
映画に出てくるタイラー・ダーデン(ブラッドピット)は、スタイルもいい、体も鍛えてたくましい、ファッションセンスも抜群、頭も切れる、それでいて自由奔放と、正に今の自分にはない物を持っている、男としての理想像そのものでした。
ブラットピットの作品は、何作か鑑賞していますが、個人的にはこの作品の彼がとても気に入っています。
映画の主人公(エドワード・ノートン)も何か、現実に生きがいを見いだせなく、鬱々とした日々を送っており、正にその当時の自分と重なりました。そこに彼と真逆の性質を持つ、タイラーダーデンの登場です。瞬く間に主人公はタイラーに魅了され、彼の導くがままに、彼の所属する..というよりも、彼と主人公が作り上げた非合法の拳闘クラブで活動するようになります。
タイラーの思考や行動理念は非常にアグレッシブかつ合理的で、そこに主人公はグイグイ引き込まれます。私も同じくグイグイ引き込まれたのですが、実際にこのような人物が目の前にいたら、おそらくみな惹かれるのではないでしょうか?
映画のオチは、実はタイラーは主人公が自分の妄想で作り上げた架空の人物で、主人公が一人で突っ走る度胸がないので、頭の中で自分の理想像を作り上げ、妄想の友達にリードしてもらいながら、本当に自分がやりたかった欲求を実行してきた..と、ちょっとアブない妄想男というオチですが、映画の最後で自分の妄想と決別します。
そして自信を取り戻した所辺りで、終わってしまうのですが、この作品の言わんとしている事は、今の自分に自信を持て!という事ではないのでしょうか?
私も最初に映画を見た時は、タイラーのルックスや行動や言動ばかり、しばらく目がいってしまいましたが、何回も見直しているうちに、自分の心の中で理想化した自分ばかりに捕らわれて、人生を見失うのではなく、理想も凄く重要ですが、着実に一歩一歩進んでいくのが、人生かなと..この映画を見て感じました。