田中義人

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田中義人
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カレー大好きの天才ギタリスト、田中義人とは?

初めて聴く音楽の中に、あぁこれはきっとあの人が作った、あるいは参加した楽曲だと思って検索をかける。本当にあの人が作ったんだ!とわかり、ちょっとした感動を覚える。そんなことってないだろうか?
田中義人さんの楽曲には、そうしたリスナーを楽しませるスパイスがふんだんに散りばめられている。もちろん全く聴いたことのない人にも田中義人さんの音楽に、ちょっとだけ耳をすませてみてほしい。
そしてスパイスのないカレーについてもちょっとだけイメージしてみてほしい。
彼のルーツについても考えてみよう。田中義人さんはいわゆるロック系のギタリストではない。ロック、ジャズ、ファンク、ソウル、エレクトロにヒップホップなどあらゆるジャンルをルーツに持ったギタリストだ。ジミ・ヘンドリクスのようにハードなディストーションを弾けば、時にはワウペダルを駆使して、ファンキーなカッティングを弾いてみせる。ジャズミュージシャンとの共演も数多く、プレイヤーとしてのマルチな才能を感じさせる。
過去の音楽が築いてきた聴き応えのあるおいしいフレーズをサンプリングし、彼なり昇華されたとき、それは間違いなくオリジナリティ溢れるおいしいフレーズになる。それはギタリストであると同時に、音楽プロデューサーでもある彼の仕事に遺憾無く発揮されている。
そんな彼の趣味、もとよりライフワークと言っても過言ではないのが、カレー(カリー)作りだ。Instagram「Spicedub」というアカウントで日々、自作カレーを挙げている。カレーをこよなく愛している。作ることも食べることも、スパイスを使うことがどれほど大切かを躊躇なく語ってみせる。
彼にとって最も重要な音楽とスパイスとの関係は、無作為に作るものではなく、立体的に楽しみながら作るものである。音楽に散りばめられたスパイスが彼のギターであり、カレーにとってのスパイスなのだ。そのおいしさをこれから田中義人さんを聴き始めるリスナーにも是非体感してほしい。