君の名は。 / Your Name.

『君の名は。』とは、新海誠が監督・脚本を手掛けた2016年公開の長編アニメーション映画。ロックバンドのRADWIMPSが音楽を制作。興行収入は250億3000万円を超え、歴代興行収入ランキング5位。
物語の主人公は東京に住む男子高校生の立花瀧(たちばなたき)と岐阜の田舎に住む女子高生の宮水三葉(みやみずみつは)。時々体が入れ替わるという奇妙な生活を送ることになった2人の、切ない恋愛模様を描いた感動作である。
本作品は日本国内外で数々の賞にノミネートされ受賞した。第40回日本アカデミー賞の優秀監督賞、最優秀脚本賞受賞はアニメとしては史上初。RADWINPSは、第40回日本アカデミー賞の最優秀音楽賞を受賞。その他にも複数受賞している。第11回声優アワードでは主演男優賞に立花瀧役の神木隆之介、主演女優賞に宮水三葉役の上白石萌音が受賞した。
映画の公開の2か月前に『小説 君の名は。』が角川文庫より出版。その他にも『君の名は。』(角川つばさ文庫)『君の名は。Another Side: Earthbound』(角川スニーカー文庫)が出版されている。

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君の名は。 / Your Name.
6

根底にあるのは現代人への警鐘

この映画の根底にあるのは、モノや情報に溢れ古いものを置き去りにしてきた現代人への警鐘ではないかと思います。それを新海監督は、都会に住む男の子と、田舎の神社の跡取り娘の入れ替わり、という分かりやすい形で表現しています。そしてそれは時々出てくるおばあさんのが口にする結びという言葉や、カタワレドキ、そして山頂のご神体。全て現代人が忘れかけているものが、物語の重要な場面でキーとなってくることで更に明確なものになります。
人間は生まれて死ぬまでに色々なことを忘れて生きてきます。そして世代間でも受け継がれずに忘れ去られていくものも多いでしょう。しかしその中にも大事な物があるのではないかという事を、三葉と瀧が入れ替わって時間の経過とともに忘れていくという設定で代弁しています。
三葉は見えないチカラで危機に気付かされ町民の命を救うために奔走します。これは誰かが気づいて動くことで人間が自然の脅威から逃げられるとゆうことの表現。そして最も重要なのが運命です。日本には古くから、将来結ばれる人とは小指で赤い糸で繋がっているという言い伝えがあります。
この映画の中では組み紐とゆうアイテムを使ってこれを想起させます。運命は見えるものではないし証明も出来ません。でも運命などないと抗って生きてみたところでそれも運命だったのかもしれません。つまりは、人の力では到底及ばない物もあるとゆことがラスト数分で一気に叩きつけられます。人の生死も運命。私達はそれを受け入れ命ある限りは精一杯生きるしかない。最後の青空からはそんなメッセージを受取ました。