SSSS.GRIDMAN / グリッドマン

SSSS.GRIDMAN / グリッドマン

『SSSS.GRIDMAN』(グリッドマン)とは、グリッドマンという名の超人と共に、街を襲う怪獣と世界の謎に挑む少年少女の活躍を描いたアニメ作品。特撮作品『グリッドマン』とは世界観を共有している。
高校生の響裕太と、彼の友人の内海将やクラスメイトの宝多六花は、ある日街を襲う怪獣を目撃する。コンピュータの中から呼びかけてきたグリッドマンという超人と協力し、3人は次々と怪獣を撃破。やがて彼らは、同級生にして怪獣とこの世界の生みの親である新条アカネ、彼女の裏で暗躍する魔人と対決していく。

hachisyuのレビュー・評価・感想

レビューを書く
SSSS.GRIDMAN / グリッドマン
10

時代が追い付いた!知る人ぞ知る名作特撮タイトルの続編

「電光超人グリッドマン」という作品をご存知だろうか。IT革命以前、平成初期に放送された特撮ドラマである。この「電光超人グリッドマン」はコンピュータやサイバー攻撃等の(当時からすれば)近未来的な要素をピックアップしているのが大きな特徴で、放送当時こそあまり注目されなかったものの、21世紀に入ると時代を先取りした内容が高く評価されるようになっていった。
SSSS.GRIDMANは、そうした背景のもとに2018年に製作されたアニメ作品で、リメイクではなく続編的な立ち位置にある。小道具やギミックなどに多数のリスペクトやオマージュが見られ、旧作を蔑ろにするような要素もない。とはいえ最大の特徴だったサイバー要素の色は薄く、あくまで思春期の少年少女たちの心情に深く寄り添ったヒューマンドラマとしての色が濃い。特に日常を描くシーンではBGMがほとんど使われていないのが特徴的で、アニメでありながら写実的な描写・演出に目を惹かれる。その一方でヒーローと怪獣のバトルシーンは外連味の利いたド派手な演出、ダイナミックなアクション、緊迫感と躍動感に溢れたBGMと、一転してエンタメとしての色が濃くなり、それがより怪獣登場という非日常性を引き立てている。
元となった作品を知る人にも、そうでない人にもお勧めできる傑作である。全13話と短い内容にも拘らず見所が凝縮されているので、是非何週もして楽しんでいただきたい。