えいがのおそ松さん

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えいがのおそ松さん
10

たかがギャグアニメの映画化と侮ることなかれ!

数年前にその名がトレンドするほどの大ヒットを記録した「おそ松さん」が満を持しての映画化です。深夜アニメだし、下品な単語やセリフもある、正直観る人選ぶアニメであることは否めません。しかし今回の映画は自信をもってお勧めできる作品に仕上がっています。
20歳を過ぎても揃いも揃って働かずニートを極めている六つ子、彼らがなんと高校生の時代の自分たちに合うというストーリーです。なんだよくある設定じゃいないかと思うかもしれませんし、正直その通りです。でも映画をみると最初に持った印象とは全く違った感想を得られます。よくある青春映画と言えば、友情や恋愛といった青春もの。もちろんこの映画にもそれはあります。かれらは彼らのアイディンティである「六つ子」というレッテルに悩み、自分という「個」はなんだろうと悩んでいます。六つ子でいることに疑問なんて持ったことなかった彼らが赤塚不二夫のうみだした「おそ松くん」から「おそ松さん」へと変わっていく物語です。自分たちは将来どうなるの?変わらなきゃいけないの?といった誰もが一度は感じたことのある思いを、18歳の彼らは感じていて悩み傷つき、必死にもがいています。そんな彼らを救うのが大人になった自分たちです。そのままでいいんだよ、変わらなくてもいいだよ、と一番言ってほしかった言葉を投げかけて、思い出したくもない過去の自分たちを励まします。彼らは一般的に見たらダメな大人です。ニートで彼女もいない、親のすねをかじっている。しかし立派な大人になっていたのも事実でした。また、自分たちのアイデンティティを封じ込めてでも周りに合わせようとしてた18歳の彼らを救ったオリジナルキャラクターにも注目です。彼女がいたからこそ、彼らの過去はいいものに変わったのだと思います。かつて自分たちが通った「高校三年生」という時代をおそ松さんという個性的なキャラを通して見れるいい作品です。また、これから大人になっていく若い世代にも見てほしいです。そして無理に代わる事はない、自分を受け入れて大人になっていってほしいと思います。元がギャグアニメなので映画館は笑いで包まれる時間が長いですが、ホロリと感動も覚えることもできるいい作品です。ぜひご覧ください。