堕天作戦

Atanasia_0006のレビュー・評価・感想

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堕天作戦
10

最初の3話だけでもいいので、是非読んでほしい!

主人公が開始数ページで殺され、生首になる、というショッキングな場面からこの物語はスタートする。

主人公は不死身の特性を持つ不死者で、どんなに損傷を受けようとも、バラバラになろうとも再生するという設定である。
不死身の特性を軍事利用された挙句、軍の司令官から暇つぶしに処刑され続ける毎日を送るようになってしまったのだった。
気力、意志をすっかり失ない、ただなされるがまま、日々淡々と処刑され続ける。
今日も司令官に処刑されるのだが、ひょんなことから司令官の機嫌を損ねてしまった秘書レコベルが共に処刑されることに。もちろん、レコベルは生身の魔人である。
気球に拘束された2人は大気圏上空まで送られてしまう。
天高く上がっていく気球はやがて破裂し、地上に叩きつけられて死ぬ。不死者である主人公以外は…。

高度が上がっていくに連れ、恐怖が増すレコベル。死に直面したレコベルと、絶対に死なない主人公の会話が始まり、やがて主人公の心に変化が表れていく。
不死の主人公は、死を前にした一人の女性との会話で何を思うのか…。

主人公は不死者であり、何度でも再生する…というここまでならよくある設定だが、独特の世界観、登場人物の心情描写、台詞回しが素晴らしく惹き込まれる。
レコベルとの処刑を描く最初の3話は特に素晴らしい。とにかく読んでほしい。