ドラえもん のび太の月面探査記

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ドラえもん のび太の月面探査記
6

辻村先生感弱め

大好きな作家である辻村美月さんが脚本を担当された、と宣伝されていたので見にいきました。ドラえもん自体も子供のころから好きで毎年見ています。大好きな辻村先生とドラえもんの融合。胸を躍らせて劇場に向かいました。

感想としては、面白かったです。ですが、例年のドラえもんとあまり変わらないように感じました。F先生に敬意を持ったうえで脚本を書かれたそうなので、自分の色を抑えられたのかもしれません。辻村先生が普段書かれる小説は、ミステリー色が強く、序盤からの謎が明かされることにより圧巻のラストを迎えます。伏線などもとても緻密。今回のドラえもんはミステリー色はそれほど強くなく、例年のようなわかりやすい感動シーンもありませんでした。しかし、序盤の何気ないセリフが伏線になっていたりするというのは「さすが辻村先生」と言いたくなります。
敵の大ボスの正体が人間ではなく実は破壊兵器AIだったり、永遠の命を持つ少年がのび太たちと関わる中で「限りある命」の素晴らしさに気づいたり…子供でなくても「今」を生きているわたしたちの心に訴えかけてくるような要素がたくさんありました。永遠の命を持つ少年「ルカ」とのび太やドラえもんたちの友情には、ホロリとさせられます。