ブルーバレンタイン / Blue Valentine

ブルーバレンタイン / Blue Valentine

『ブルーバレンタイン』とは2010年公開のアメリカの恋愛映画。あるカップルの出会いから結婚、破局までを描く切ないストーリー。価値観の違い、気持ちの温度差、方向性の違い、仕事の格差から冷め切った夫婦をライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズが演じ、過激な性描写や体重増量も辞さない迫真の演技で、2人とも第68回ゴールデングローブ賞にノミネートされた。デレク・シアンフランス監督は10年かけて脚本を練り上げ、第63回カンヌ国際映画祭では「ある視点」部門に出品された。

hijiki0422のレビュー・評価・感想

レビューを書く
ブルーバレンタイン / Blue Valentine
10

恋愛のリアルを描ききった傑作

ライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズが主演を務めた映画。
淡い恋愛を経験し、ついに夫婦となった彼らに待っていたのは残酷すぎる結婚生活だった。ライアン・ゴズリングは、若い頃からは想像もつかないほどの中年太りの恰幅のいいおじさんになり、頭もうっすらハゲてきた。妻のミシェルウィリアムズは子育てのイライラと、夫の変わり果てた姿に辟易とし、お互いにろくに会話もしないようになってしまう。物語はそんなちぐはぐな夫婦生活とかつて恋人同士だった二人のシーンが交互に映され、そのコントラストは残酷という言葉がぴったり。
二人の淡い恋人生活はセピアな色に溢れている。これはフィルムカメラをあえて使用しているから出た色なんだそう。
しかし、もっと特筆すべきは恋人のシーンでのライアン・ゴズリングの演技だ。突然、橋の欄干から飛び降りようとするなど突拍子も無いことをするのだ。それも当然で、これは全てライアン・ゴズリングのアドリブ。ミシェルウィリアムズも彼が何をするかわからないため、本気で驚いている。真の恋人のようにアドリブで作られた二人の過去のシーンは、あまりにもリアルでそれがまた、現在の夫婦生活を際立たせている。「ブルーバレンタイン」は結婚と恋愛の違いをまざまざと見せつけられる大人のラブストーリーだ。