ライチ☆光クラブ / ぼくらの☆ひかりクラブ / Lychee Light Club / Litchi Hikari Club

inuyamanekotaroさんのレビュー・評価・感想

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ライチ☆光クラブ / ぼくらの☆ひかりクラブ / Lychee Light Club / Litchi Hikari Club
7

抜群に良くはないが、目も当てられないほどひどくもない

てんでダメという訳でもなく、素晴らしい映像化という訳でもなく…。
尺などの都合上、漫画そのまま完全再現が出来ないのは承知の上ですが、ウルトラマンの敵みたいな謎の肉塊に予言させる必要あったのかな…??ゼラ少年が薄暗い道を歩いてると怪しげな老婆に呼び止められ…っていう出だしでも十分出来たんじゃない…??
あとラストが便器でなかったことで皇帝云々の伏線が回収できず、ニコの無念さも半減…。「本当は身を呈して火を消そうとしたのに、ゼラに火を付けた犯人だと思われてしまう」っていうのじゃなかったっけ?その辺りの無念さからのジャイボが犯人だったというカタルシス!!が好きだったので…。でもニコが何か伝えたくて必死なのにヒューヒュー喉がなるばかりなところ、良かった!ああ、喉が焼けてしまってるんだな…というのと、ニコの必死さが感じられるリアルな音だと思った。
あとめちゃくちゃ良かったのが、光クラブの基地の外の描写!煤けた町とか、疲れ切った大人たちとか…客引きをする女とか映画オリジナルっぽかったけど、大人のみっともなさのようなものが滲み出ててすごくよかった…退廃的な空気が漫画以上にリアルに描かれてて、この点が一番映画で評価できるかな。
もう一つ良かった点を挙げるとしたらタミヤに殺してと懇願するダフ!額に突き付けられてる時の表情が物凄くて、見た瞬間に漫画でのダフの表情がバァッと脳裏に広がった。
でも後半の狂っていくゼラ役の方の演技も良かったですね!お顔はイメージとちょっと違うけど、声と演技が良かった!前半はゼラの、皆を統帥するに足るクレバーさが感じられなくてただのこじらせ厨二陰キャ童貞みたいになってたのが残念ですが、尺もありますしその辺りは仕方ないですね…。後半の狂いっぷりは役者さんの演技力によって良く表現されてたと思います!
不満だったのは、カノンが必死に逃げようとするシーンが入ったとこかな…。削るのは仕方ないけど、余計なシーンは入れないでほしい。カノンはあの状況でもライチとの時間を楽しんでしまうような、外見も内面も浮世離れした(言うなれば彼女も少しオカシイぞ…というような)感じだと思っているので。えっ原作にこんなシーンなかったよね…?読後かなりたってるので間違えてたらごめんなさい…。
あとジャイボですね!なぜ間宮さん!?こんな「イケメン」よりも「ハンサム」という感じの、ましてや「美少年」からは程遠いゴリッゴリに男らしい方にしたんだ!?間宮さんほど端正な顔立ちでなくていいから、もっと雰囲気に合った怪しげな美少年ぽい人にしてほしかった…と私は思ってしまうけど間宮さんの顔の整いっぷりはすごいし、最後の大人になることに怯えるシーンの説得力はすごかったから、この辺りは微妙なところなのかも!
あとタミヤの配役はかなりツボでしたね。なんだろう、こうクラスの人気者!信頼おける!陽キャ!!リーダー!!って感じの顔立ちじゃないですか?タミヤ役の方って(笑)個人的にはすごくしっくりきました。中条さんもドンピシャでしたね〜。
音楽は…。私はあまり好きではありませんでしたが、かのグランギニョルの舞台音楽と近い!!との声もあるので、もしそうならば素晴らしいと思います。わたしそちらの舞台は拝見していないので…。私はこのような凄惨なシーンに美しいクラシックを掛け合わせるのが最高に好きです。ジャイボが潰されて肉塊と化すシーンで「カノン」なんかが流れてたら最高に気持ち悪くて悲惨で、かつ幻想的で美しかったろうな…(すみませんこれは完全に個人の趣味です笑)
ラストのゼラが片腕もがれながらワルツを踊るシーンがないのもかなり残念ですが、仕方ないですね…映像化難しそうだもんね…でもせめて肉塊ジャイボを揶揄して笑い転げるシーンはほしかった…!
あ!あと後半の雷蔵とヤコブのモブ感が…と思う原作未読の方もいらっしゃるかもしれませんが、あれは原作まんまです(笑)ヤコブなんか後半もうコマに描かれてないからね!モブ化していきなり殺される感じが原作っぽかった!

総合するとやはり抜群に良くはないが、目も当てられないほどひどくもない…といったところでしょうか。今はとにかく原作を読み返したくてウズウズしてます!原作未読の方は是非とも漫画を読んでみてください!!