ダイモンズ

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ダイモンズ
8

ひたすら主人公のキャラに惚れました!

これは手塚治虫氏の「鉄の戦慄」をリメイクした作品ですが、内容は一部の設定を除きほぼ別作品です。

一部の設定とは
・親友に裏切られ、復讐を誓う主人公
・主人公が両腕を千切られた為、鉄の義手を装着
・超能力を使って義手を動かす

オリジナルがサイコスリラーとするならば、リメイクは如何にも少年漫画らしいバトルアクションものです。
このバトルシーンが米原氏の迫力ある絵柄とマッチして実にいい!
オリジナルが殆ど(というか、全く…)バトルがなかったのと対比するとこちらはバトルの連続で読んでる方は常に退屈しません。
また、この作品のもう一つの魅力は主人公のキャラがひたすら格好いい事です。
復讐以外全てを投げ打った姿勢が激しくも、どこか悲しさを誘いこれまた米原氏の画力と相まって男の自分から見るとハードボイルド的な様相を呈し、非常に魅力的です。
ただ、難点を上げるならば物語全体の設定的な拙さですかね…。
オリジナルが復讐相手が一人だったのに対し今作は5人に増えています。しかも、設定は“親友達”です。最後の一人が親友と言うなら納得がいくのですが、全員親友にする必要性が何処にあったのか?いや、それでも別に構わないのですが読んでる方に納得出来る描写が欲しかった。

主人公と5人が同じ仕事をして、仲良くなったような設定みたいでしたが、全員やっている事はバラバラ…。エンジニア×2、殺し屋×2、町の長、手品師?一体、6人で何をしたんだろう…?
それと始めは、ただの復讐物語だったのに最後は世界を支配する親友とそれに反抗の意を示す主人公と言う構図になっていたのも納得がいかない。
変に話を大きくなり過ぎて少々ついて行けませんでした。

上記のバトルの迫力と主人公の格好良さで最後まで読みましたが、変な設定が無ければもっと良い作品になれたのにそこが残念です。