イップ・マンシリーズ

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イップ・マンシリーズ
9

イップマンという中国武術の達人を中心とした映画

中国武術の映画になります。「詠春拳」という武術と、その使い手であるイップマンの物語です。シリーズ化されており、何作かありますが、全部観ました。どのシリーズの作品もおすすめです。
個人的に興味をそそるポイントは多々あるのですが、一番注目すべきところは「実話」であるというところです。昔からアクション映画などは大好きで沢山観てきたのですが、この映画は一味違います。今までと違う点は「架空の話ではない」というところです。例えば、アクション映画や中国武術の映画の今までの経緯では1人対複数の戦いになったりする場面があるのですが、実際にはどんな格闘技の達人でも5人以上の相手をするには無理があります。戦いの仕方にもよりますが、背後をとられたり、つかまれたりしてボコボコにされるのが現実だからです。しかし、この武術の使い手によるものは本当の話で、複数の相手と戦う場面があり、相手を倒すことが実際にできるのだということが可能であると証明されます。時代の背景もありますが、法というものを守り、従うことに忠実であるかどうかは本当のところ、わからないものです。如何に平和であっても、自分以外の他人がどんな状況で暴力を振るうかどうかはわからないものだからです。主人公のイップマンは詠春拳の達人ですが、その凄さに圧倒されます。人を殺すことは犯罪になり、暴力をふるうことも犯罪ではありますが、相手を殺さず、正当防衛で暴力を振るう人を封じ込めるところに武術の大切さを痛感させられます。また、詠春拳は世界最速の武術と伝えられており、「戦い方=捌き方」の構図も考えさせられます。