ディア・ハンター

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ディア・ハンター
7

戦争と男たちの友情を描いた佳作

ベトナム戦争で傷ついた男たちを描く名作。前半の「君の瞳に恋してる」を歌う若者たちが一転戦場に送りこまれ、ベトナム人の捕虜となりロシアンルーレットを強制させられるシーンは観る者に忘れがたい印象を残します。狂気すら感じられる場面は本作のハイライトともいえるでしょう。この極限状況から何と抜けだす訳ですが、私のように肉体も精神も脆弱なものにとっては絶対に生きては帰れないでしょう。ただ、この映画は3時間を超す作品なので観る側にも相応の気合が必要となることでしょう。これは「天国の門」についてもいえることでしょう。そして2度目のロシアンルーレットのシーン。やりきれない思いが観る者に重くのしかかってきます。そして、ベトナム戦争を題材にしながら戦闘シーンが出てこないのもこの作品の特徴です。前述したこととは相反しますが、とかくロシアンルーレットのシーンばかりが語られがちですが(たしかにこのシーンはインパクトがある)、これはこの映画のワン・オブ・ゼムであってメインテーマは前述の男たちの生き様を描いた作品だと私は感じました。そして哀愁のあるメイン・テーマはスタンリー・マイヤーズの「カヴァティーナ」、アコースティック・ギターはジョン・ウィリアムズ。映画にマッチングした音楽です。