リリーのすべて

shibaさんのレビュー・評価・感想

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10

深い愛と苦悩の物語

1920年代、画家として成功していたアイナー・ベルナーは、肖像画家の妻・ゲルダに頼まれ女性モデルをしたことをきっかけに、自身の中の女性の人格「リリー」を意識し始めます。
始めは悪戯だった女装がリリーとして目覚め、アイナーでいられる時間が少なくなります。ゲルダは混乱し、悲しみ寄り添いながら、夫もリリーも支えていきます。そして、世界初の性別適合手術を受けます。1回目は性器を取り、回復してから2回目の手術で膣を作るのです。1回目の手術でゲルダは「アイナー」と別れます。術後すぐに「リリー」の元にゲルダは向かいます。リリーはデパートガールとして働き、元々の自分の「性」(女性)を取り戻すべく2回目の手術を受けますが、危険な状態になり、ゲルダの見守る中亡くなります。

男性から女性への心の動きと、葛藤、妻への愛をエディ・レッドメインが圧倒的な演技で魅せます。そして、妻ゲルダをアリシア・ヴィキャンデルが深い愛を熱演します。ゲルダは難しい役だと思います。「リリー」が主人公ですから、ゲルダの心理は深く描かれていないのですが、それを見事に表現しています。「ジェンダー」とか関係なしにしても、是非観るべき映画だと思います。素晴らしく、又、悲しい物語です。