響~小説家になる方法~ / 響 -HIBIKI-

響~小説家になる方法~ / 響 -HIBIKI-

『響~小説家になる方法~(HIBIKI)』とは、柳本光晴による日本の漫画作品およびそれを原作とした映画作品。
出版不況に苦しむ文芸業界。太宰の再来でも顕れないかと嘆くとある編集部に直筆の原稿が届く。編集部員の花井は、応募条件を満たさず、ゴミ箱に捨てられていたその原稿を手に取った。目を通した作品は、これまでにない革新的な作品だった。作者へとつながる唯一の手がかりは、原稿に書かれた名前だけ。これを機に、止まっていた文芸界の歯車が回り出す。

kenmaru99のレビュー・評価・感想

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響~小説家になる方法~ / 響 -HIBIKI-
10

文芸界を震撼させる社会現象を巻き起こす天才小説家の誕生

女子高生の響が、小説をとある雑誌の新人賞に応募したことから物語がはじまります。
応募要項を満たしてないと、読まずに捨てられそうだった手書きの原稿用紙を、若い編集者に拾われその小説は新人賞へ。
プロの小説家達が審査員としてその応募作を読むことで静かに話題が広まっていき、響の小説は新人賞を受賞します。
その新人賞の授賞式で響は暴力事件をおこしてしまい、マスコミにも注目されることに。
そして響の友人であり、文芸界のトップにいるとされる小説家の娘であるリカや、響と共に新人賞を同時受賞した田中、数年にわたり小説家をやりつつ芥川賞を狙う山本などの人物の生活や響からの影響、響との対比も描かれつつ舞台は直木賞、芥川賞の発表の時期へと移っていきます。
史上最年少での直木芥川同時受賞という快挙を達成してまた会見の舞台へ。
マスコミからの嫌がらせは響のみならず担当の編集者に矛先が向き耐えかねた響はまたもや暴力事件をおこしてしまいます。
その会見の帰り道に会場を離れた響と芥川賞にノミネートされたものの受賞を逃してしまった山本が出会ってしまいます。
破天荒ながらもかわいらしい女子高生として描かれていた響と周りを取り囲む友人や様々な境遇に立たされている大人たちとの対比がおもしろくストーリー展開もスピード感があって漫画の実写映画であることを忘れて最初から最後まで魅入ってしまいました。本当にオススメできます。