ソードアート・オンライン アリシゼーション / Sword Art Online: Alicization / SAO アリシゼーション

ソードアート・オンライン アリシゼーション / Sword Art Online: Alicization / SAO アリシゼーション

『ソードアート・オンライン アリシゼーション』とは、ライトノベル『ソードアート・オンライン』を原作とするアニメである。
キリトは過去に因縁がある死銃事件の実行犯による襲撃を受け、昏睡状態に陥る。キリトが目覚めると、そこは現実世界とそっくりな仮想世界・アンダーワールドだった。彼はそこで出会った少年・ユージオと共に、世界の中心「セントラル・カセドラル」を目指す。
現実世界での極秘プロジェクトと仮想世界での事件がリンクする世界観で、冒険や絆、バトルを描くSFアクション系ファンタジー。

makity0308のレビュー・評価・感想

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ソードアート・オンライン アリシゼーション / Sword Art Online: Alicization / SAO アリシゼーション
3

これAIが主題なんですよね?

大人気シリーズの三作目にあたりますが、残念ながら観賞に堪える内容ではありません。
いくつか問題点が挙げられますが、第一に目につくのは薄っぺらいキャラクター造形でしょう。
相変わらず、主人公キリトの言動には内面的な成長が見られません。
「デスゲームの死線をくぐり抜けて……」とか、「俺には守るべき人が……」とか、その繰り返しでしかない。
新たに登場する悪役剣士、ライオスやウンベールに関しても、もはや判で押したようなキャラクターに留まってしまっています。

もちろん、上記のような問題点は今作に始まったものではありません。
前二作でもキャラクターは十分に類型的でした。
それでも観賞に堪えられたのは、情報技術の時代に即した、魅力あふれる世界観がそこにあったからです。
そして本作でも、その世界観は健在といえるでしょう。
にもかかわらず、このアシリゼーション編で粗ばかりが目立ってしまうのはなぜなのか。
決定的な理由は、おそらく今作が「AI」、人工知能をテーマに掲げている点にあるでしょう。
すなわち、本来であれば、このアシリゼーション編こそもっとも人間味のあるキャラクターを登場させなければならなかった。
ユージオ然り、アリス然り、人工フラクトライトを「魂」=「内面」のある存在として描かなければならなかったわけです。
それに失敗すれば、物語はそのテーマ性もろとも瓦解することになってしまうはず。
今作に「魂」はあるのでしょうか。
制作スタッフは扱っているテーマに対し、もっと自覚的であるべきです。