セッション / Whiplash

セッション / Whiplash

2014年、撮影当時28歳で全く無名だったデイミアン・チャゼル監督初の長編映画。サンダンス映画祭 W受賞を皮切りに驚異の記録で賞レースを席巻。名門音大に入学したドラマー(マイルズ・テラー)と伝説の鬼教師(J・K・シモンズ)、究極の師弟関係を狂演VS怪演で演じきり、狂気のレッスンの果ての衝撃のセッションは、誰も観たことのないクライマックスへと展開する。映画史上に残るラスト9分19秒は圧巻。

kokubu888のレビュー・評価・感想

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セッション / Whiplash
9

素晴らしい

この作品を紹介するにあたり、特にすばらしいと思うのが、無駄のない構成、そして出演者の演技だ。構成に関しては極力無駄を無くし、視聴者が飽きることなく、なおかつ主人公の苦悩を理解できるようになっている。
そしてこの話は監督自らの体験によってキャラクターが創造されている。ゆえにキャラクター1人1人にリアリティーがあり、とても魅力的なのだ。

この映画最大の魅力はJ・K・シモンズ演じるテレンス・フレッチャーであろう。彼のスパルタ指導はとてつもないほどの恐怖であり、自分が怒られている訳でもないのに自分が叱られている気分に陥るほどだ。
そんな怪演といえる素晴らしい演技をしたJ・K・シモンズは、この作品で見事アカデミー賞助演男優賞を受賞した。彼の素晴らしい演技、その演技にマッチしているカメラワーク緊張感のあるBGMにぜひ注目して頂きたい。
主演のマイルズ・テラー努力も並外れたものではない、彼はドラムの演奏経験が10年以上あるにも関わらず、この映画のために週3回4時間の特訓を起こっていました。その努力の賜物もあって劇中のドラムもほぼ本人が演奏しています。サントラもテラーのものが4割りほど使われています。劇中でのドラムシーンでは監督がストップをかけなかったそうで、テラーは常に限界までドラムを叩いていたとか。そんな出演者の努力が詰まったこの素晴らしい映画ぜひ観賞してみてはいかがでしょうか。