ボヘミアン・ラプソディ / Bohemian Rhapsody

映画『ボヘミアン・ラプソディ』は監督ブライアン・シンガーによる、ロックバンドクイーンのボーカルフレディ・マーキュリーを主人公とした伝記映画。制作会社は20世紀フォックスで、2018年に公開された。日本では2018年11月9日に公開されている。ラミ・マレックがフレディ役を演じている。
世界で高く評価されている映画の一つであり、現地時間の2019年1月6日に行われた第76回ゴールデングローブ賞の授賞式にてドラマ部門作品賞を受賞し、主演のマレックは主演男優賞を獲得した。彼の再現力高い演技は多くの人を惹きつけた。彼自身、オファーを受けた時にはクイーンの知識はほとんどなかったものの、演じることが決まったことを機に喋り方の習得や特徴的な前歯を表現するための義歯の使用して、クオリティの高いパフォーマンスを見せた。そのほかにも全米映画俳優組合賞では主演男優賞を獲得。第72回英国アカデミー賞では主演男優賞、音響賞を獲得するなど多くの賞を得ている作品となっている。

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ボヘミアン・ラプソディ / Bohemian Rhapsody
7

Queenファンゆえの葛藤

お台場のアクアシティで爆音映画祭として見に行った。
私は元来、クイーンのファンだったので本作には非常に興味があった。
予告動画を見ていたが非常に完成度が高く、何よりカッコいい。あの映像と音響の予告動画は誰もが期待していた作品と言っても過言ではないだろう。

この作品はクイーンの音楽を楽しむ映画ではなく、伝説の男・フレディマーキュリーという人物を描いた作品である。
私はもともと彼らの音楽は大好きだったけど、フレディの背景や、クイーンの背景、つまり数ある名曲たちがいかにして彼らから生まれたのか、ということを知らなかったので、その点は非常に面白かった。

世界中から「伝説の男」として拝まれる彼は、実は非常に繊細で純朴な心の持ち主だというのが見てとれる。
「somebody to love」の歌詞、「Can anybody find me somebody to love」も、フレディの心の叫びから作られた曲なのだと、映画を観終わって初めてわかった。

そしてやはり印象的なシーンはラスト20分。あの伝説的なライブ・エイドの完全再現だ。あの映像の圧倒的なスケール感は映画館でないと味わえない。驚嘆すべきはラミ・マレックのフレディへの観察眼とリスペクトだ。まるで本人がいるようだった。

だがしかし、あくまでも「ようだ」なのだ。
確かに素晴らしい迫力と再現度には脱帽だ。しかし、厳しい言葉になるが”コピー”にすぎないのだ。
Queenをフレディを好きでいればいるほど、この違和感に悩まされる。長年のファンからすれば嬉しい映画化だったかもしれない。しかし、心になんとも言えぬシコリが残るのも事実である。
まあ、Queenをよく知らない人がこの映画をきっかけでQueenが好きになってくれればこれほど嬉しいことはないだろう。
そして映画鑑賞後は是非、YouTubeで本物のQueenを体感してほしい。