スマッシング・パンプキンズ

shirato0806さんのレビュー・評価・感想

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スマッシング・パンプキンズ
9

90年代オルタナ界の異端的バンド

90年台のオルタナシーンの中心で活動し、全米のみならず日本でも高い人気を誇っていたバンド、スマッシング・パンプキンズはアメリカのシカゴで結成されたバンドだ。
しかし、他の同時期に活動していたバンド、パールジャムやニルヴァーナ、アリスインチェインズ等よりもその世界観は独特だ。
アメリカ的なタフなマッチョイズムは無く、かといってグランジシーンにおけるファッション性やダウナーな雰囲気はあまり感じられない。
どちらかというと、ナイーブで繊細な感情をラウドなギターサウンドで隠しつつも、その優しいメロディが溢れ出している、そんなバンドであった。ボーカルのビリー・コーガンの独特過ぎるヘタウマな歌はあきらかに異質だ。まるでいじめられっ子のような歌声だ。
そのある種の女々しさは同世代、同時代のアメリカのバンドには無いものであり、それがスマッシング・パンプキンズのオリジナリティにつながっているのではないかと思う。
今では決して流行ることのない音楽性だが、彼らのセカンドアルバムにして大ヒットアルバム、『サイアミーズ・ドリーム』で聴けるような優しいメロディは、いつの時代でも繊細で傷つきやすい人たちの心を癒やすのではないかと思う。
決してクラスのヒーローにはなれずに片隅に一人でいるような少年少女達、あるいはかつてそうであった人たちの心をだ。
そんな人達の背中をそっと押すような曲を90年代のシカゴから、いつだって届けてくれている。