検察側の罪人 / KILLING FOR THE PROSECUTION

検察側の罪人 / KILLING FOR THE PROSECUTION

『検察側の罪人』とは、雫井脩介によって書かれた日本の小説が基になっている日本のサスペンス映画である。木村拓哉と嵐のメンバーである二宮和也がダブル主演で魅せるサスペンスストーリー。老夫婦殺人事件と時効を迎えた事件がきっかけとなり自分の正義に固執する最上と事件の真相に対する正義を追い求める沖野の対立が描かれた本作。脇には吉高由里子、大倉孝二、八嶋智人などが固める。映画のキャッチコピーは「一線を超える」。

NNN3のレビュー・評価・感想

レビューを書く
検察側の罪人 / KILLING FOR THE PROSECUTION
10

これが「目」と「表情」で語る映画だ!

沖野(二宮和也)の怒涛の取り調べシーン。あれは言わずもがなこの作品の見所です。アドリブだと言われている「その辺で首吊って死んでくれるか?」を初めて聞いたときは思わず震えあがりました。でも、見所はそれだけではないんです。最上(木村拓哉)の目で語る焦り、悔しさ、正義が導く矛先が変わった瞬間は観ているこちら側がゾクっとしてしまいます。また、最上の変化に気づき、疑問を抱き始める沖野の苦しみ、辛さ、葛藤が見える表情もこちらが顔をしかめてしまうほどです。さらに、橘(吉高由里子)の今にも消えてしまいそうなのに、芯の通っている声が、最上と沖野をより一層引き立てていると思います。私は、はっきり言ってこの映画は1回みただけでは分からないと思います。2度も3度も見ることで、やっと物語がなにを表しているのかが目に見えて来ます。映画のラストシーンでは、最上と沖野それぞれの正義が真っ向からぶつかり合います。なぜ沖野はあのタイミングで叫んだのか。最上はなぜハーモニカを持って外に出たのか。それを踏まえて2回目の鑑賞をすることをお勧めします。そして、現代の日本の社会問題についても勉強しておくとより良いかもしれません。あなたもこの映画を見たら、エンドロールの時間があっという間に感じますよ。