文豪ストレイドッグス / 文スト / Bungo Stray Dogs

『文豪ストレイドッグス』とは、原作:朝霧カフカ、作画:春河35の青年漫画作品。『ヤングエース』にて2012年から連載中である。略称は『文スト』。2014年に出版社の角川から小説版が発表され、2015年には『文豪ストレイドッグス外伝 綾辻行人VS.京極夏彦』において文壇で活躍している京極夏彦、綾辻行人、辻村深月などの著名な作家が「異能力」を持つキャラクターとして登場した。2016年にアニメ製作会社ボンズによってアニメ化され、同年に第2期、2019年に第3期が放映され、2021年に第4期の製作決定が発表された。2018年には劇場アニメ『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』が全国上映され、興行収入5億5000万円をあげた。
文豪を原作にしたキャラクターが「異能力」という人間離れした魔法のような力を武器に戦うアクションストーリー。「異能力」には文豪らが手がけた「小説の題名」または「小説の一節」が使われている。
主人公は明治から昭和初期にかけての文豪「中島淳」であり、異能力は「月下獣」。「月下獣」という名前は高校生の教科書にも掲載されている「山月記」からアイデアを得ているものである。「中島淳」が孤児院を追い出され、飢餓に苦しんでいたところ、日本で最も有名な文豪「太宰治」に出会い、そこから物語が始まっていく。

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文豪ストレイドッグス / 文スト / Bungo Stray Dogs
8

文豪の名を持つ者たちの異能力バトルアクション

「文豪ストレイドッグス」は、2013年からヤングエースで連載されている漫画だ。ジャンルは異能バトル漫画だと言えるだろう。ただこの作品の特異な点は、登場人物が実在する文豪たちの名前を持ち、作品にちなんだ異能力を駆使して戦うところにある。
例えば主人公の中島敦の異能力は「月下獣」。虎の姿と力を得る能力である。「山月記」から来ていることは一目瞭然であろう。また敦を導く存在である太宰治は「人間失格」など、そのままのネーミングから少し捻ったものまでバリエーション豊かである。

物語は横浜(後にヨコハマと表記が変えられている)、「武装探偵社」が巻き込まれる抗争を中心に描かれる。森鷗外が率い、太宰治のかつての相棒である中原中也が在籍するポートマフィア、フィッツジェラルドが率い、モンゴメリやスタインベックが在籍する組合(ギルド)、そして新たな敵対勢力など、武装探偵社は大きな戦いに巻き込まれていく。
2016年には分割2クールでアニメ化された。特に人気のあるエピソードは小説版を原作とした「黒の時代」で、若き日の太宰治を主人公に、史実での無頼派作家、「三羽烏」の人間模様を描いたノワール的作品だ。本編とはまた違うシリアスな雰囲気も、魅力のひとつであろう。また、2016年には舞台化もされている。
2017年には映画化されている。映画では澁澤龍彦が敦たちの前に立ちはだかる。
これからも楽しみな作品である。