STEINS;GATE / シュタインズ・ゲート / シュタゲ

STEINS;GATE / シュタインズ・ゲート / シュタゲ

『STEINS;GATE』とは、5pb.(現MAGES.)の同人ゲーム作品およびそれを基にしたアニメ作品である。アニメ放送時期は2011年の4月から9月。第15回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品アニメーション部門/長編に選ばれた。大学の友人と日々おかしなマシンを開発していた岡部倫太郎は、偶然タイムマシンを開発する。だが、倫太郎はタイムマシンで過去を改変したことにより、様々な問題に直面してしまう。

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STEINS;GATE / シュタインズ・ゲート / シュタゲ
10

観測者となり、世界を騙す

初めはどこにでもある日常系ADVゲームと思っていた。主人公の岡部が中二病発言が多く、2ちゃんねらー用語も多用されてて、耐性のない人間を容赦なく振り落とそうとするが、なんとかしがみついて最終までたどり着いてほしい。
彼のふざけた姿が、とある少女を守るために作られたものであると分かると、本当に話にどっぷり入り込んでしまう。
岡部は過去にメールが送れるDメールを偶然開発した。仲間と過去を変えるためのメールをいくつか遊び半分で送信した結果、平和だった日常が崩壊し、過酷な運命の渦へと巻き込まれてしまう。
自分の半身とも言える、守るべき幼なじみの少女を失い、彼女を救うため何度もタイムリープを繰り返す。少しずつ精神を削られ、追い詰められていく様子も描かれる。
孤独な戦いと思われたが、やがて彼のタイムリープに気がついた仲間の女性が何度でも彼の手をとり、彼を助けてくれる。
やがて幼なじみの少女を助けるための手段が、仲間の女性を失うこととになると真相を知り、どちらも選べないと苦悩する岡部の姿は最高に涙できる。
前半のダラダラ展開から予想もつかないほどの急転直下、ぐいぐい物語に引き込まれてしまう。最後は大どんでん返しが起こり、物語が完結した時のカタルシスたるや、語り尽くせない。
岡部役の声優の方の演技がすばらしく、感情移入してしまう。
できるなら、このゲームをプレイした記憶を失ってもう一度やりたい!と思わせるだけのゲームである。