ろくでなしBLUES

ろくでなしBLUES

『ろくでなしBLUES(ブルース)』とは、森田まさのりによる『週刊少年ジャンプ』に連載された学園ヤンキー漫画で、コミック版は全42巻。東京の吉祥寺を舞台に、帝拳高校のヤンキー達が暴れ回る。ギャグをちりばめた短編と、他校の強敵とのバトルがメインの長編ストーリーの組み合わせによって構成されており、特に他校とのバトルをメインにした長編シリーズはストーリーの完成度が高く、本作の人気を不動の物にしている。

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ろくでなしBLUES
10

夢はボクシングで6階級制覇! 最強の不良漫画

主人公は帝拳高校に通う不良・前田太尊。その名が示す通り、ヘビー級チャンピオンであるマイクタイソンからのもじりだ。彼自身も将来はプロボクサーになることが夢であり、目的はなんと6階級制覇! 傍から見れば、「そんな無茶な」と思われるほどの、実現ほぼ不可能の野望を抱いている。
だがそれを実現するに足る実力を太尊は持っているのだ。
何よりもとにかく喧嘩が強い! めちゃくちゃ強い! 高校1年の時に学校を締めてしまい、それからは不良軍団の番長として他校のあらゆるの生徒と揉め事を起こし、その悉くを解決し、あるいは勝利してきた。
そんな中、読んでいて最も胸が熱くなるのは「東京四天王」と呼ばれる、東京の不良たちの中で最強と謳われている四人の喧嘩の達人とのバトルだ。
メンバーは、吉祥寺の前田、渋谷の鬼塚、浅草の薬師寺、最後に、四天王中最恐と恐れられている池袋の葛西。この東京不良界の精鋭たちが繰り広げる喧嘩バトルシーンは圧巻そのもの!それもその筈、作者・森田まさのりは圧倒的な画力を誇り、キャラクターたちの造形は元より、緻密な背景描写でよりリアルのある絵柄となっているからだ。そしてボクシングにも造詣が深く、綿密な取材を通して描かれるボクシング特有の動きや技なども、不断に本作には盛り込まれているのだ。
したがって、喧嘩のシーンがド迫力になるのは当然で、その他にも太尊が所属するボクシングジムでのボクシングのシーンなども非常にリアリティがある。
前田は「東京四天王」や他にも辰吉や川島といった、数々の強敵を打破し、実力を高めながら、徐々にボクシングへの道へと歩んでいくことになる。
そうして物語は、ボクシングの世界王者兼ライバルである原田成吉に、夢を叶えた前田太尊が世界戦を挑むところで幕を閉じる。
果てして太尊の野望、6階級制覇は成るのか?! 読者にそんな期待を抱かせるラストを用意しているこの作品は、ある意味でズルい漫画と言えるだろう。
ちなみに筆者は、太尊は必ずや目的を達成すると確信している(だって本当に強いんだもの)。