ファイナルファンタジー 零式 / FINAL FANTASY TYPE-0 / FF零式

ファイナルファンタジー 零式 / FINAL FANTASY TYPE-0 / FF零式

「ファイナルファンタジー 零式(れいしき)」 (FF零式) とは、2011年にスクウェア・エニックスより発売されたプレイステーションポータブル(PSP)用ロールプレイングゲーム(RPG)。戦争をテーマに、クリスタルと神、人間の命と死について描かれるFFシリーズの外伝的作品。舞台は「オリエンス」という世界で、主人公の14人の少年少女たちは、アギトと呼ばれる救世主になるために厳しい訓練をこなしながら戦争に身を投じていく。

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ファイナルファンタジー 零式 / FINAL FANTASY TYPE-0 / FF零式
10

どう生きるかを考えさせられる作品

4ヶ国が互いの国の有するクリスタルを奪い合う戦争に、若き14人の戦士たちが身を投じる物語です。

朱雀、白虎、青龍、玄武の4ヵ国が治めるクリスタルは、それぞれの能力は違うものの統一された特殊な力があります。それは死者の記憶を全て失ってしまうというものです。名前も顔も関係性も、全ての記憶を失ってしまいます。自分が命を奪う瞬間の相手の顔さえも忘れてしまうのです。
14人の主人公達が属する朱雀には魔導院という、いわば学校のようなものがあります。彼らは終わらぬ戦争の救世主となる「アギト」を目指し、その候補生として戦闘術などの勉学に励みます。

14人の主人公達は他の候補生とは大きな違いがありました。それは特殊な力を使い、戦いの最中に命を落としても再び蘇ることが出来るのです。つまり彼らは他の候補生とは違い、死の恐怖を知りません。一方的に命を奪うだけの存在となり、魔導院の中でも特別な存在となる彼らはこの戦争において大きな鍵となりました。

戦争を繰り返すこの4ヵ国の歴史を記した書にはこのような文があります。
「9と9が9を迎えるとき、識なる底脈動せし。そして始まりの封が切れし時、いかずちの如き声音が響かん。我ら来たれり」と。
それはこの戦争の行く末を記したものであり、彼らもここに大きく関わっていきます。
死の恐怖を知らない彼らも物語が進むにつれてそれに直面することになり、限られた命をどう生きるのか最期の選択を迫られます。

このゲームのキャッチコピーは「人は生まれる場所も時代も選ぶことは出来ない。でも、どう生きるかを決めることは出来る」というものです。
死の恐怖に直面した彼ら14人の最期の選択、互いを思う”独りではない”という気持ち、戦いの歴史に呑まれる彼らの運命は、涙無しには語れません。
物語もさることながら14人の個性溢れた戦闘スタイル、戦術の広さは他のゲームでは味わえないスリルと楽しさがあります。
今までいろんなゲームをプレイしてきましたが、ここまでハマったゲームは後にも先にもありません。
彼らの運命と選択、そして多彩な戦術を是非楽しんで頂きたいです。