パンズ・ラビリンス / Pan's Labyrinth

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パンズ・ラビリンス / Pan's Labyrinth
8

暗く悲しみに満ちた世界の美しい妖精の物語

10段階評価で8としたが、万人受けしないであろうと思ったためであり、本来の個人的な評価としては10段階中10である。
監督のギレルモ・デル・トロさんは映画の監督、脚本、小説の執筆などをして活躍されている方で他作品に
映画
『ミミック』
『ヘルボーイ』シリーズ
『パシフィックリム]シリー』
小説
『ザ・ストレイン』
『暗黒のメルトダウン』等がある

映画『パシフィックリム』では子役で出演した芦田愛菜ちゃんにその容姿と呼びにくい名前のためトトロさんと呼ばれていたらしい。
最近ではゲーム開発者の小島監督との交流があり新作ゲームのPVにも出演した。

舞台は内戦下のスペインで、主人公の少女・オフェリアは、母の再婚相手の独裁政権軍の義父の住む屋敷へ引っ越す。
義父は反乱軍を掃討する軍を指揮しており、非常に冷酷な男である。戦争で夫をなくした母は、生きていくため、オフェリアを養うため、義父と結婚し子供を身ごもる。
義父はオフェリアのことはおろか、母さえも自分の子供を産ませる道具のようにして扱う。まだ12歳の少女にとっては、耐え難い環境であった。
そして少女は空想の世界へと逃避する。飛んでいたカマキリが妖精になり、ただの木であったものが幸せを勝ち取るための試練を与える精霊になる
結末はメリーバットエンドです。受け取り方によって幸か不幸かがわかれる結末です。

この作品の良いところは雰囲気です。内戦中のダークな悲しい雰囲気と、少女オフェリアの見る世界との対比、といっても、オフェリアの見る空想は明るい世界ではありません。グロテスクで現実よりも死と隣り合わせ。だけれどその先にある、試練を超えた先にある未来は希望で明るさに満ち溢れています。
もうすぐ幸せになれるという子供ならではの純真無垢な希望と、残酷で直視しがたい現実との対比、さらにそれを見る物の目に耳に焼き付ける映像美と音楽、それらすべてが秀逸に合わさって一つの映画という芸術として作り上げられている。

全ての方に勧められる作品ではありません、衝撃的な場面がいくつもあります。結末は後味が良いものではありません。けどそれゆえに私の心に深く突き刺さった。
本当に映画が好きなら一度は見ておくべき作品だと思います。私はこの作品を見て映画に対する価値観ががらりと変わりました。忘れようにも忘れられない。時々作中に出てきた鼻歌を無意識に歌っているほどです。
素晴らしい映画だと思います。ぜひおすすめ
なお今回の感想ではネタバレを極力避けましたが、ネットで検索するとたくさん出てきてしまうと思います。なるべくそれらを見ないようにして、映画で初めて結末を知った方が何倍も楽しめるかと思います。