テラフォーマーズ(TERRA FORMARS)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『テラフォーマーズ(TERRA FORMARS、テラフォ)』は、作画が橘賢一・原作が貴家悠によるコミック作品。『全国書店員が選んだおすすめコミック2013』で2位で、『このマンガがすごい!(2013年)』オトコ編では1位となった。累計発行部数は1600万部(2016年4月時点)を突破している。
火星開拓の副作用で異常進化したゴキブリ「テラフォーマー」と人類の存続をかけた戦いを描く。

『テラフォーマーズ』の概要

テラフォーマーズは、原作:貴家悠、作画:橘賢一による人類と進化したゴキブリの闘いを描くSFバトル漫画。掲載誌はヤングジャンプ。出版社は集英社。
累計発行部数は、2016年時点で1600万部を超えている。

人類は、火星を居住できる惑星に変えようとしていたが、その過程で進化したゴキブリ「テラフォーマー」を生み出してしまった。
当初は簡単に駆除できると考えていた人類だが、思わぬ抵抗に遭い、次々と仲間を失っていく。
手術で強化した人間とテラフォーマーの闘いがメインだが、国家間の思惑といった政治的要素もあり、単なるバトル漫画の枠には収まらない。

2014年にテレビアニメ化、2016年4月には実写映画化もされ、一般の認知度も高くなった。

『テラフォーマーズ』の用語

テラフォーマー

火星の移住開発の為ゴキブリと苔を撒いた結果、年月を経て人型へと進化したゴキブリ。
火星に人類が進出した場合に備えて仕込まれていた『A.E.ウイルス』が、ゴキブリに作用したため、異常進化したとされる。
高度な知性と体力を持ち、人類に対して嫌悪感を露わにする。彼らは人間を駆除する計画を立て、実行に移した。

バグズ手術、M.O.手術

火星環境での長時間任務を可能とするための手術。
『バグズ手術』は昆虫のDNAを後天的に組み込み、人間の骨肉細胞を昆虫のものに変化させる。
術後は、薬剤を注射器で注入することで組織のバランスを崩し、ベースとなった生物に「人為変態」し、その生物の特性を引き出すことが可能となる。
女性の方が手術への適合性が高い。手術ベースは被験者自身の適正によって選ばれるが、適合しないこともある。
手術の生存率は30%しかない。
その後、技術の進歩により昆虫以外もベースにできる『M.O.手術』が可能になった。ただし生存率は35%にしか向上しておらず、手術には危険が伴う状況は変わらない。
各国は手術の成功率を上げるために、適合に成功したサンプルを求めている。

特別な4人

「現在のM.O.手術では獲得不可能」と言われている能力を持つ4人は『バグズ手術の次の可能性を示す4人』と呼ばれる。
複数の能力を人工的に植え付けた「膝丸燈」、バグズ能力を遺伝的に受け継いだ「ミッシェル・K・デイヴス」、神経までベースとなった生物と共存することに成功した「蛭間一郎」、切り刻まれても再生するプラナリアの能力を持つ「エヴァ・フロスト」の四人を指す。
能力を獲得できた理由を解明する為、各国が身柄を確保しようと狙っている。

A.E.ウイルス

2619年の地球で流行が危惧されている新種のDNAウイルス。バグズ2号帰艦後に急増したことから火星由来とされている。
致死率は100%であり、ウイルスを培養することは地球の技術では不可能である。ワクチンを作るには同種もしくは毒性が近い縁種が必要。
このウイルスに感染すると、一部の臓器が変容し、その過程で死んでしまう。
しかし、変容した状態でワクチンが適用できれば、その後のM.O.手術のが100%成功できるということが予想されており、故に各国がワクチンを渇望するもう一つの理由になっている。

アネックス計画

A.E.ウイルスの治療法を解明する為、火星からウイルスのサンプルを持ち帰る計画。
宇宙船・バグズ2号にM.O.手術を受けた乗組員100名を乗せ、火星へ向かう。1人の司令官と14人の副司令官が置かれている。
計画はアメリカ・日本・ドイツ・ロシア・中国・ローマの6カ国が主導する国際宇宙機関で立案・実施されているが、ウイルスのサンプルを持ち帰る以外にも、各国が独自の目的を持って参加している。

『テラフォーマーズ』のあらすじ・ストーリー

第1部

西暦2599年、火星で異常進化したゴキブリを駆除するために宇宙船バグズ2号は乗組員15名を乗せ地球を出発した。
乗組員達は火星の厳しい環境下での任務遂行の為受けた「バグズ手術」によって昆虫人間へと変身できる力を手に入れていた。
しかし火星で、ゴキブリ「テラフォーマー」の襲撃に遭い、昆虫人間に変身して戦うが、増殖したテラフォーマーの前に、次々と仲間を失っていく。
さらにテラフォーマーの力を独占しようとする各国の思惑に翻弄され、小町小吉と蛭間一郎の2名だけが辛うじて地球に帰還する。

第2部

バグズ2号の惨敗により、火星開発は長らく凍結されていた。
しかし、火星から帰還した小町達が持ち込んでしまった致死率100%の「A.E.ウイルス」による被害者が出たことで、ワクチンを精製すべく「アネックス計画」が立案。西暦2620年に大型宇宙艦・アネックス1号によって、バグズ2号の生き残り『小町小吉』を艦長とする計100名の乗組員が火星に送り込まれた。各国の思惑が交錯する中、アネックス1号は火星到着間際テラフォーマーの襲撃に逢い、乗組員は六班に別れ脱出することになる。
テラフォーマーの追撃に遭うが、乗組員達はバグズ手術を発展させた「M.O.手術」によって身に着けた能力を駆使して対抗する。しかし、テラフォーマー側も20年前のバグズ2号乗務員から奪った技術で自身を強化していた。
各班は墜落したアネックス1号での合流を目指すが、生まれつきM.O.能力を持つミッシェル・K・デイヴスと膝丸燈(ひざまるあかり)を狙って劉 翊武率いる中国・アジア第四班が反逆を起こす。第四班はアネックス1号を占拠し、地球への連絡を絶った。独・南米第五班は、テラフォーマーとの戦いで消息不明となってしまう。
日米合同第一班・第二班はピンチに陥ったが、シルヴェスター・アシモフら露・北欧第三班が加わり、第四班・テラフォーマーも交えた攻防となった。
地球に第四班の裏切りを連絡するため、第一班・第二班の非戦闘員たちはアネックス1号に突入し、第四班の裏切りを伝えることに成功する。
だが、第四班・テラフォーマーとの戦闘で満身創痍の彼らはアネックス1号からの脱出を余儀なくされ、アネックス1号はテラフォーマーに占拠されてしまう。
辛くもテラフォーマーから逃れたミッシェルと燈だったが、地球から新たに襲来した凱延超将軍を艦長とする中国の武装宇宙艦『九頭龍』によって、窮地に立たされる。一度は捕らえられた燈たちだが、アシモフの助力で九頭龍からの脱出に成功する。
一方、アネックス1号の乗組員たちは、脱出艦の着陸予定地点である海に向けて奔走する。立ちはだかるテラフォーマーを攻撃を潜り抜け、燈たちと合流した
ようやく脱出ポットへとたどり着くが、その最中に第六班班長ジョセフ・G・ニュートンの裏切りが発覚する。彼は成功例の少ない生物の遺伝子を入手するため参加していた。
小町、アシモフ、劉は燈たちを脱出させる為、火星に残りジョセフと戦闘の上勝利した。
燈達は脱出に精いっぱいで僅かなウイルスサンプルしか確保できなかったが、第三班がテラフォーマーを異常進化させたと思われる古代文明「ラハブ」の情報と、A.E.ウイルスを大量に確保していたことで事なきを得る。
一方、九頭龍の凱将軍らの前に影で暗躍していた「ニュートンの一族」が飛来する。彼らは凱将軍らとの交渉の末、ジョセフを回収し地球に帰還した。
その頃、地球では北海道に「スキンヘッド型」カリスマテラフォーマーが率いるテラフォーマーの一団が観測された。実は、彼らは奪ったバグズ1号によって10年以上前に地球へ飛来し、着々と侵攻計画を進めていたのだった。

第3部

アネックス2号の乗務員たちが地球に帰還してから1年後、日本ではテラフォーマーによる誘拐事件が即出していた。
燈たちは、民間警備会社『一警護』に身を置き、テラフォーマーの駆除を行っていた。
捉えたテラフォーマーの脳から隠れ家の情報を掴み、東京の地下水道に潜入する。そこで燈はギャングのリーダー・斉藤翔と出会う。彼は燈の小学生時代の同級生だった。
燈は協力を要請したが、斉藤の部下として潜り込んでいた中国工作員と彼が装置で操るテラフォーマーに襲われる。中国はテラフォーマーを操って日本侵攻を計画していることが発覚した。
絶体絶命となった燈だが、仲間の助けもあり危機を乗り越える。東京各地の要所も『一警護』によって守られた。
地下水道から回収したテラフォーマーの脳を解析し、「祈る者(インヴォーカー)」というスキンヘッド型テラフォーマーの存在と拠点を突き止めた。
一警護は、敵の拠点である東シナ海沖の人工島へ潜入調査を行った。そこでは、ニュートンの一族・中国軍上層部、テラフォーマーで構成される「スニーカーズ(神奸達)」が人間を使った非道な研究を行っていた。
スニーカーズと戦闘になり、苦戦を強いられる燈たちだったが、ミッシェル率いるアメリカ合衆国宇宙軍特殊作戦部隊『SPACIALs(スペイシャルズ)』が駆け付けたことで形勢逆転。施設の制圧に成功し、そこに攫われていた民間人を開放した。だが肝心のスニーカーズには逃げられてしまう。
その後、中国の記者会見に「祈る者(インヴォーカー)」が出現し、「じょうじ」とメッセージを発する。それを合図にしたかのように日本近海へテラフォーマー艦隊が現れ、日本に総攻撃を始めた。そして、人類とテラフォーマーの戦争が始まった。

主な登場人物・キャラクター

小町 小吉(こまち しょうきち/ CV:木内秀信)

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