Pink Floyd(ピンク・フロイド)とは【徹底解説まとめ】

ピンク・フロイドとは1965年にロンドンで結成されたイギリスのロックバンドである。その前衛的な音楽性とサイケデリックなサウンドは世界的な賞賛を得ている。哲学的な歌詞、実験的なサウンド、綿密な曲構成やユニークなライブパフォーマンスによって、彼らはポップ・ミュージックの歴史の中で最も成功した影響力の強いグループであると見なされている。作品の総売り上げは全世界で2億3000万枚以上を記録している。

1943年イギリス生まれのミュージシャン。
学生時代にロジャーとニックと出会いバンドを結成した。バンドではキーボードを担当した。
結成初期は楽曲制作上で主導権を握っているメンバーであったが、ロジャーの立場が強くなってくると対立を起こし、
バンドから解雇されるまでに至っている。
2008年に癌のためイギリスの自宅にてな亡くなった。享年65歳。

ロジャー・ウォーターズ(Roger Waters)

1943年イギリス、イングランド出身のミュージシャン。
バンド創設時からのメンバーでベースを担当していた。
結成初期はギター、ボーカルを担当していたシド・バレットのワンマンバンドとみなされることが多かったが、シド脱退後、作詞、作曲やアルバムのコンセプトの考案も行い、主導権を握って行った。最終的には彼のワンマンバンドと称されるほど立場をとった。
幼少期に戦争で父親を亡くしており、その経験がバンドの作品にも反映されている。

シド・バレット(Syd Barrett)

出典: 2.bp.blogspot.com

1946年イギリス生まれのミュージシャン。本名はロジャー・キース・バレットである。
1964年にバンドに加入し、ギターとヴォーカルを担当する。
1967年にデビューし、独特の歌詞やサイケデリックなサウンドプロダクションからカルト的な人気を得るがドラッグにより次第に精神を悪くし、バンドメンバーとして活動することが困難となり脱退した。
ピンク・フロイドのメンバーや他のミュージシャンからのサポートを得て、ソロアルバムを2枚発表するも、自宅に引きこもりの生活を続けてしまう。
晩年は鬱の症状が悪化し、糖尿病の影響で失明寸前までの症状になっていたと言われている。
2007年7月7日にケンブリッジの自宅にて亡くなった。

オリジナルアルバム

The Piper at the Gates of Dawn(夜明けの口笛吹き)

出典: img.discogs.com

01 Astronomy Domine
02 Lucifer Sam
03 Matilda Mother
04 Flaming
05 Pow R. Toc H.
06 Take Up Thy Stethoscope and Walk
07 Interstellar Overdrive
08 The Gnome
09 Chapter 24
10 The Scarecrow
11 Bike

1967年8月にリリースされたピンク・フロイドのファーストアルバム。結成時のメンバーであるシド・バレットがリーダーシップをとって制作された最初で最後のアルバムである。万華鏡を用いて撮影されたアートワークが使用されている。発売されて今日までで最も優れたサイケデリックロックアルバムのひとつだと評価されている。アルバム制作中にバンドの噂を聞いてレコーディング現場を訪れたビートルズのメンバーであったポール・マッカートニーはその演奏を見て「彼らにはノックアウトされた」と語った、という逸話が残っている。アルバムタイトルはイギリスの児童作家ケネス・グレアムの「たのしい川べ」という作品の中から拝借したものである。

A Saucerful of Secrets(神秘)

出典: img.discogs.com

01 Let There Be More Light
02 Remember a Day
03 Set the Controls for the Heart of the Sun
04 Corporal Clegg
05 A Saucerful of Secrets
06 See-Saw
07 Jugband Blues

1968年にリリースされたピンク・フロイドのセカンドアルバムである。
レコーディングの途中で前作まで実質的にリーダーであったシド・バレットが脱退し、バンドが危機的な状況で制作された。
前作同様サイケデリックロックの路線を踏襲しているが、12分近い長尺のインストゥルメンタル曲が収録されているなど、後のプログレッシブロック路線を予感させる作品である。前作より評価は乏しかったが、売り上げはまずまずで全英9位を獲得している。

Soundtrack from the Film More(モア)

01 Cirrus Minor
02 The Nile Song
03 Crying Song
04 Up the Khyber
05 Green Is the Colour
06 Cymbaline
07 Party Sequence
08 Main Theme
09 Ibiza Bar
10 More Blues
11 Quicksilver
12 A Spanish Piece
13 Dramatic Theme" (instrumental)

1969年にリリースされたフランス人映画監督のバルベ・シュローダーの映画「More」のサウンドトラックである。
これ以前のサイケデリック路線や後のプログレッシブロック路線とは方向が少し異なり、バンドのルーツであるブルース、カントリーやフラメンコ調の曲が多く収録されている。これまでにストックしていた曲などを流用したこともあり、レコーディングは1週間程度で終わったと言われている。

Ummagumma(ウマグマ)

出典: img.discogs.com

Disc1
01 Astronomy Domine
02 Careful with That Axe, Eugene
03 Set the Controls for the Heart of the Sun
04 A Saucerful of Secrets

Disc2
01 Sysyphus (Part 1)
02 Sysyphus (Part 2)
03 Sysyphus (Part 3)
04 Sysyphus (Part 4)
05 Grantchester Meadows
06 Several Species of Small Furry Animals Gathered Together in a Cave and Grooving with a Pict
07 The Narrow Way (Part 1)
08 The Narrow Way (Part 2)
09 The Narrow Way (Part 3)
10 The Grand Vizier's Garden Party (Part 1: Entrance)
11 The Grand Vizier's Garden Party (Part 2: Entertainment)
12 The Grand Vizier's Garden Party (Part 3: Exit)

1969年10月にリリースされたバンド初の2枚組アルバム。
1枚目にはマンチェスター・メトロポリタン大学で行われたライブ音源を収録しており、2枚目には各メンバーの実験的なソロ作品が収録されている。これ以降の作品は全てバンド自身によるプロデュースに変わる。本作の評価はまずまずでイギリスでは5位、アメリカでは74位を獲得したが、メンバーからの評価は低く、インタビューでもネガティブな意見が多い。

Atom Heart Mother(原子心母)

01 Atom Heart Mother
02 If
03 Summer '68
04 Fat Old Sun
05 Alan's Psychedelic Breakfast

1970年にリリースされたピンク・フロイドの5枚目のアルバム。ヒプノシスによる牛を用いたアートワークが有名である。
イギリスで初めて1位を獲得した作品である。
表題曲の「Atom Heart Mother(原子心母)」は20分以上もあるオーケストラを用いたインストゥルメンタル作品であり、アナログレコードのA面全てを使用している。アルバムタイトルは心臓にペースメーカーを埋め込んで生きている妊婦のことを書いてあった新聞記事からインスパイアされている。

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