うえきの法則(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『週刊少年サンデー』(小学館)に、2001年34号から2004年46号まで連載された。単行本は小学館:少年サンデーコミックスより全16巻。
正義感の強い中学生・植木耕助が異能力を駆使して悪と戦う姿を描いたバトル漫画。
連載終了後には2005年4月4日から2006年3月27日までテレビ東京系でアニメ化され、大好評に終わった。

神様の勧誘により募集された100人の天界人で、選考・審査などは神様の気まぐれで行われる。
選ばれた者たちは能力者バトルに関わる特定のルールが課され、これらに違反した者は地獄行きとなる。
ただし、地獄に行った天界人でも神候補の権限は与えられる。
これは、神候補の地獄行きにより人手不足となるルールミスに気付いた神が後から追加した。

神候補は、一人につき一つの能力を与えることが出来る。
1人の能力者に2人の神候補が力を与えることは最上級のルール違反にあたり、逆に1人の神候補が2人以上に能力を与えることも同様の違反に値する。

コバセン / 小林先生(こばやしせんせい)

12月25日生まれ、B型、32歳。
火野国中学の教師。通称コバセン、植木に能力を与える。
がさつで豪快な性格だが、本当の正義を貫く者を求めていた。
幼いころ、ビルの屋上から落ちた植木を助け、憧れの対象にされていたが小林本人は気づいていなかった。
ある雪の日、捨てられた子犬を一人で暖め続けていた植木を見て、「このバカの正義を見てみたい」と思い、中学での再会前、当時小学6年だった植木に能力を与え、その正義を見定めていた(無理難題を吹っかけて試すような真似をしたことには後ろめたさがあったのか、地獄落ちの際に植木にそのことを詫びていた)。
その後、植木とロベルトの戦いの際に、高所から落とされた植木をかつてと同じように受け止め、「こんなバトルやめちまえ。お前の好きなように生きろ、お前の人生だ!」と言い残し、ロベルトを道連れに地獄へ落ちる。

その後もテンコを植木の元に向かわせたり、地獄にいながらも植木達の手助けをしていた。
その後、森あいの担当となる。
最終回で地獄から解放された後は火野国中学に戻り、再び植木・森のクラスの担任教師となる。
「少年よ、正義を抱け」という言葉を生徒によく言っている(『少年よ大志を抱け』からの造語)。

ワンコ / 犬丸(いぬまる)

1月5日生まれ、A型、28歳で、佐野の担当でコバセンの後輩。
理知的だが小林には振り回されてばかりいるが素直に彼を尊敬し、慕っている。
当初は佐野のことを「ハチマキ君」と呼んでいた。
カルパッチョ(ロベルト十団の参謀司令官)により天界の吸血生物「デス・ペンタゴン」(普段は五角形の黒子の形をしており、生物の血を残らず吸い取るという凶悪生物)を取り付けられ、佐野に対する脅迫材料にされていた(この間犬丸は自分が人質にされていることを知らなかった)。
植木と佐野の戦いの後で自分が人質にされていると知った犬丸は、佐野を助けるため、二人以上の人間に能力を与えるというルール違反を侵し、森に能力を与え、自ら地獄に落ちた。
その後、特例により佐野の担当は継続。地獄でも相変わらず小林にイジられていた。特技は林檎を素手で割ること。
優勝した植木チームの全員一致の選択により、次の神に選ばれた。

神様

現在の神を務める十ツ星天界人、55歳。
「中学生同士の能力者バトル」の発案者。
歴代の神の中で一、二を争う知略家にして、一番のお調子者とも言われる神。
基本的に仕事はサボってばかりだったようだが、守人の一族と天界人との諍いを治めたいという強い信念があった。
本人曰く魂(ソウル)そのものを具現化した奇抜なファンキーファッションを好む。
豪放磊落で女好き。

25年前(当時30歳)、先代の神にその才能を見込まれて神に就任したが、神としての仕事をサボって人間界に遊びに行った際、中学時代の植木春子(植木の義母にあたる)と出会う。
終始彼女に振り回されてまわったが、彼女の行動により「未来」の大切さを知り、「次の時代は未来を夢見る若いもんが作るべきだ」と、次の神の選抜と過去に囚われる守人の一族の改心を促すという課題を、中学生によるバトルに委ねることにした。

バトルのルールは完全に彼の独断で決められており、それは一見ずさんに見えるものの、その全てに守人に対抗するための緻密な仕掛けが施されていた。
マーガレットの野望を止めるため彼と激闘を繰り広げ、死闘の末にマーガレットを改心させることに成功するも、アノンに不意打ちされて瀕死の重傷を負い、取り込まれてしまった。
植木とアノンとの戦いが終わった後は治療獣で一命を取り留める。

地獄人

天界人とは古くからの因縁があり、かつては互いの領土を奪い合う敵対関係だった。
神器の様な特殊能力は持っていないが、それを補って余りある超身体能力を持つ。

現在は守人の一族を除いて、天界とは不可侵条約(地獄人が天界へ入ると、地獄界へ強制的に送還される)を結んで和解している(もめごとをなくすため、不可侵条約は継続されている)。
守人以外の地獄人(看守など)は、妙なスーツ(というより着ぐるみ)を着て登場している。

守人(もりびと)

地獄界で唯一、他者の体を取り込むことで、取り込んだ相手の姿とその能力を自在に使うことが出来る一族。代々天界獣を体の中に取り込んでいることにより、天界人からは「守人」と呼ばれる。
天界人を取り込むことで不可侵条約を無視して天界へ侵入している。
地獄人の中で天界人と地獄人の間にいまだ根強い柵を抱いている勢力であり、代々天界の乗っ取りと空白の才を狙っている。
守人として空白の才で何をしようとしていたかは最後まで明らかにならなかった。

マーガレット

神候補。ロベルト十団、バロウチームを組織した。
取り込んだ天界獣の力でロベルトやバロウ達の"星"を上げた。
13年以上前から十ツ星天界人であり、ロベルトの父親でもあるマーガレットの体を乗っ取っており、その姿はマーガレットではあるが、アノンの父である。
ロベルトを人間界に堕とした張本人で、ロベルトが人間を憎ませるように仕組んだ。
そして、用済みとなったロベルトをアノンに倒させ、彼に成り代わらせる。

後に神との戦いの中で彼の生き方に理解を示し、バトルへの介入を辞めようとしたが、神がアノンに倒され、アノンの本当の目的を知ったため植木の前に現れ、天界獣の姿になり、彼を十ツ星にした。
神との戦いで傷ついた状態でも、植木を一蹴できる程の実力の持ち主。
最終決戦後はマーガレットを解放し、アノンと共に地獄界へと強制送還される。本名は最後まで不明。

アノン

地獄人で「守人」の一族の末裔。
天才だが自分に対して自信は持たず、常に勝つための努力を惜しまない。
善悪の概念を持っておらず、何の悪意も躊躇も無いままに冷酷非道な行いを繰り返す。ロベルトの体を取り込むことにより、彼に成り代わってバトルに参加する。

父親の言うことに従っているように見せて、実は守人一族代々の使命を果たす気など毛頭無く、自分自身の夢を叶えるために幼い頃からずっと修行を続けていた。
その夢とは、自分の人生を自分で切り開き、守人の使命などに縛られること無く幸せを得るため、周りの障害、つまり全ての人間、天界人、地獄人を滅ぼすこと。
この夢に対する想いは強く、“夢への渇望”を力にした十ツ星神器魔王の威力は桁外れであり、神とマーガレットの物は全弾撃ち尽くしても周囲が穴だらけになる程度だったが、アノンの魔王は幅数百メートル程度の範囲を地平線まで削り取る威力を誇る。

自分に本当に夢を叶えられるだけの力があるのか不安だったため、自分を止められるものなど誰一人いないということを証明するために他人を強くさせていた。
偽マーガレットとの戦いが終わった神を不意打ちしてその体と能力を乗っ取り、バトルのルールを作り変え、李崩、佐野、鈴子など、能力者を次々と倒した。
その後十ツ星となった植木との決戦の末、魔王により倒され、自分の夢に足りなかった物を悟り、神を解放した後、地獄界へと強制送還される。

ロベルトを取り込んだことで、ロベルトの能力である理想を現実に変える能力と理想的な神器を使えるようになる。
さらに神を取り込んだことで、神の神器や亜神器も併用可能(ロベルトと神の神器を同時に使う)になった。

『うえきの法則』の名言・名セリフ

植木耕助

「オレは――コバセンみたいになりたかった!!オレは、コバセンみたいに他人のためになることをしだした!ただそれだけなんだよ!!だから――だから、これはオレの正義じゃない!!コバセンの正義だ!!!」

第三巻にて、ルールを破り、地獄に落ちようとしていた小林先生の「自分の正義を貫け」という言葉に対しての、植木の返答。

Hideki6
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@Hideki6

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