うえきの法則(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『週刊少年サンデー』(小学館)に、2001年34号から2004年46号まで連載された。単行本は小学館:少年サンデーコミックスより全16巻。
正義感の強い中学生・植木耕助が異能力を駆使して悪と戦う姿を描いたバトル漫画。
連載終了後には2005年4月4日から2006年3月27日までテレビ東京系でアニメ化され、大好評に終わった。

火野国中学一年の13歳で、7月4日生まれのA型。
後に人間ではなく、天界人である事が明らかになる。
普段はボーっとしているが、要所では自己を顧みず正義を貫く。
その理由は、幼い頃小林に助けられ、そのときから彼のような人間になりたいと思ったからである。
彼の言う正義とは、ロベルトの「人間は弱虫で臆病だ」という言葉に対する反論の「人間は弱いかもしれない、でも他人の為に自分の中の弱さに打ち勝って強くなれる」ことである。
その言葉通り危機に陥った他人に対しては、例えその瞬間戦っていた敵ですらも、自分の危険を顧みず助けてしまう。

途中で勉強の才を失ったにもかかわらずバトルのセンスには目を見張るものがある。
しかし、その性格ゆえに、正義の為に才が失われることも厭わず能力を使い、よく才を減らしてしまう。
他の能力者が何十、何百と才を持っている中、植木の才は当初から10前後という圧倒的に不利な状況であった為、ほかの能力者から弱くみられ、よく狙われた。
また、植木が先天的に持っていた才(例えば走りの才)を失ったとしても、努力でそれを補おうとしていて、それも一種の才かもしれない。

有する能力は「ゴミ」を「木」に変える能力。
出せる木は植木のイメージによって様々な種類、形状になる。
また、植木の神器は能力と一体化した「木の神器」であるが、植木の能力はゴミを木に変えるだけでなく、その木の一部をゴミにしてまた木にできると言う特性を持ち、他のAをBに変える一方通行の能力とは違いサイクル(アニメではリサイクルと呼ばれた)している。
その為、神器は通常一度に一つしか出せないのに対し、この木の神器は手の中で一つのゴミから生まれた神器をゴミとして別の神器を出すという方法で複数同時に出すことが出来るという特徴を持つ。

絶え間ない努力の果てにレベル2に到達、BをAに変えるサイクルを相手の能力にも及ぼすことで、木に相手の能力を元に戻す超能力=リバース(回帰)を付属させる事ができるようになる。
自分が出した木にさえ触れさせられれば、どんな能力もAに戻すことが可能。
非常に有用であるが、習得した時期があまりにも遅かったため劇中でも数回しか使用されなかった。

限定条件:両掌で覆える大きさのゴミだが、実際にはゴミでなくとも、本人がゴミと認識したものなら何でもよい。

森 あい(もり あい)

火野国中学1年。8月8日生まれのA型で、植木のクラスメイト、おせっかいなツッコミ役兼ヒロイン。
偶然、空白の才を巡る戦いとどんな状況下でも他人を優先させる植木の危なっかしさを知り、植木を守ることにした。
バトルに深く関わっていたため、植木が女子に好かれる才を失った後も普通に接することの出来る唯一の一般人の女の子であった。
非能力者でありながらも頭脳的な作戦をもって、能力者相手に引き分けに持ち込むなどの活躍をした。
誰かに庇われることが多いが、彼女自身も非力でありながら体を張って仲間を助けられる勇気を持っている。

その後、犬丸に能力を与えられ、神様の通知遅れの都合で三次選考の人員が一人足りなくなったため、途中参加が認められた。
しかし、犬丸の連絡の不備の為、長らくその能力の正体が分からなかった。
そのせいか(そもそも能力発動自体が難しいのもあるが)彼女が能力を使ったのはわずか3回(アニメでは2回)である。
犬丸が彼女にその能力を与えた理由は「イメージにぴったりだったから…」らしい(本人は名前が格好悪いせいか、能力に少し不満気である)。

普段、頭の上に眼鏡を乗せているのは遠視だからであって、本を読んだりする時には眼鏡を掛けるということが最終巻のおまけページで判明している。
見た目はグロテスク(というよりはタコまたはイカの足にしか見えない)だがおいしい料理を作る。学校では「あいちん」と呼ばれており、ファンもこの愛称で呼ぶことが多い。

有する能力は「相手」を「メガネ好き」に変える能力。
文字通り、相手をメガネ大好きにしてしまう洗脳タイプの能力。
メガネ好きの度合いは尋常ではなく、眼鏡を破損するととてつもない悲しみに襲われる(対戦相手は「自分の命よりも大事」と言っていた)。
作中では「自滅しなければメガネを壊す」と相手を脅して気絶に追い込ませる手段をとったため、あのアノンも危険視していた。
一方で、負けるか否かを相手任せにするという不安定さを抱えており、確実に心を折るために森は戦いに備えて眼鏡を100個用意していたシーンがある。

限定条件:対象がぶりっ娘ポーズ(両拳を顔の前に上げ、右足を後ろに上げる)をする。ただし、この条件を満たしていれば、体の角度など細かい指定はない。

佐野 清一郎(さの せいいちろう)

稲穂中学3年で、2月6日生まれのO型。
メンバーで唯一関西弁をしゃべる。左目の火傷は4歳の時に間欠泉を掘っていた時に出来たもの。
自分の温泉を掘り当てるための「発掘の才」を求めて参戦。
当初は犬丸の戦いへの勧誘を拒んでいたが、偶然出会わせた火事場で、中に取り残された子供を助けるために飛び込み、自身も炎に周りを囲まれてしまったとき、犬丸に助けられ、犬丸も自分と同じ、困っている人を放っておけない性分の持ち主だと知り、戦いへの参加を決意する。本作での人気キャラの一人。

植木とは平丸男(植木のバトル初戦の相手)戦において知り合った。当初は植木と平の戦いを静観するつもりだったが、ルールを破って平に協力・植木を倒そうとしたラファティ(平を担当する神候補)に怒り参戦、平の技から植木を助けたうえ、さらなるラファティの反則によって逆に窮地に陥るが、それでも植木を庇って平の攻撃から守ろうとした。
最終的には植木に助けられ、平を倒した後腹の減った植木に食べ物をあげるなど、彼なりの謝礼をしていた。その後引っ越すことになり、一度大阪に戻った。

有する能力は「手ぬぐい」を「鉄」に変える能力。
鉄に変える前に、手ぬぐいの形状をある程度変えることにより、「ブーメランカッター」「鉄槍」「鉄発条(スプリング)」などの技を使う。
彼のバトルにおける持論は「バトルの勝ち負けは能力の強さではなく、どんな工夫をするかで決まる」であり、決して強いとは言えない能力を、創意工夫で生かして自分の能力以上の相手とも互角に渡りあっていた。
レベル2に到達した彼は鉄に磁力を与える超能力=超磁力を得る。

限定条件:息を止めている間。

鈴子・ジェラード(りんこ・ジェラード)

中学3年生で、12月24日のAB型。
元ロベルト十団員。
ジェラード財団の令嬢であったがゆえに友人に金づるとしか扱ってもらえなかったため、仲間というものに対する憧れと不信感を持っていた。
ロベルトのことが好きで、彼に必要とされるままにロベルト十団に所属して作戦参謀を務めていたが、十団同士が仲間に対する思いやりを持っていなかったことと、植木が敵さえも自己を投げ出して助ける様子を見て、十団を裏切り植木らと行動を共にする。
佐野とは喧嘩も多いが、タッグを組むことが多くコンビネーションも抜群である。

無類の動物好きで、普段は優しい女の子だが、ある戦いで役に立てなかった事がトラウマとなり、その後は「雑魚」や「役立たず」と言われると慈悲も与えず、相手に彼女の能力の推進力を使った必殺往復ビンタをする、という多重人格になってしまった。
その姿は「地獄絵図」とも評され、最終回で想い人のロベルトまでもが犠牲者の一人になった。
アニメではそのエピソードは無いが、漫画ではロベルトが「雑魚」と口にしてしまい(悪意はなかった)想い人だったロベルトを自ら振る事になった。

有する能力は「ビーズ」を「爆弾」に変える能力。
基本的に物体に触れると起爆する仕組みになっている。1m程度の範囲ならば遠隔操作で起爆させることも可能。爆発の推進力を生かして、空を飛ぶ「鈴子ロケット」、ビーズを連続で発射できる「ビーズ砲(キャノン)」、アニメではミサイル並の威力があると言われる、ビーズの爆発による推進力を平手打ちに加える接近戦「ビンタ用グローブ」などの道具を使用する。
道具は全てジェラード財団製で、グローブは財団の技術の粋を集めて作られた。

限定条件:一度手で触れたビーズのみ。

宗屋 ヒデヨシ(そうや ヒデヨシ)

中学1年生で、5月5日生まれのO型。
大変ズル賢く人を騙すのがうまいが、心優しい性格で孤児院「たいようの家」の子供達からは「ズル兄ちゃん」と呼ばれとても慕われている。
口癖は「ぶっちゃけ」。

初代担当神候補のネロが自分を助けて地獄に堕ちたため、ザックが2代目担当神候補となる。
しかしザックは悪人だったために協力するのを嫌い、なおかつ能力者になったのはネロのためであり、空白の才に興味が無かったため戦いを極力避けていた。戦闘能力そのものは低く(ザックも「あいつは弱い」と明言した)、作中で対戦相手をバトルから脱落させたことはない。
二次選考直前にザックが他のチームを使い、たいようの家を破壊しようとしたため植木と共にそれを阻止。
その後「優勝したチームのメンバーの中から神候補を多数決で選ぶ」というルールを利用しネロを助けられると知り植木チームに加入した。
トリッキーな戦いを得意とする。カンチョー、醤油を目にかける、山葵を鼻に突っ込むなどの戦法は、セコいながらも精神的ダメージは絶大で、鈴子曰く「二度と相手をしたくない」という噂が十団内で流れていたらしい。

ネロからは「根っからのビビリだが、いざと言う時には人のために命をかけられる目をしている」と評されており、窮地に陥った際、佐野から逃がされるたが、引き返し、窮地に陥っていた佐野と森を助けた。

最終戦ではアノンを恐れて逃げ出そうとしたが、思い直して戦場へ戻るのだが、その行動が結果的に植木の命を救うことになり、仲間内では密かに英雄扱いされているが本人の知るところではない。

有する能力は「声」を「似顔絵」に変える能力。
声を似顔絵に変えて壁などに貼り付けられる。
似顔絵は自分を中心とした半径10m以内ならば、動物の体内を含めたどのような面にでも貼り付けられ、敵を撹乱するのに役に立つ。
また、似顔絵の色も自由に選ぶことが出来るため、壁などに同化させることも可能。

限定条件:似顔絵一枚につき、手足のどれか一本の指を曲げている間のみ持続し、最大20枚まで貼り付けられる。

ロベルト・ハイドン

ロベルト十団のリーダー格の金髪碧眼の少年で、中学2年生。
頭に包帯を巻いている。
最強の能力者と謳われ、物語中盤までの最大の敵である。
非情な性格だが、当時は能力者ではなかった森を殺さずに戦場から帰そうとする、部下からも慕われているなどロベルト十団のトップとしての器も兼ね備えている。
植木と同様、この戦いのために堕とされた天界人で、そしてそのために運命を狂わされた天界人の一人でもある。人間界に堕とされた際に植木より多少年上であったため(当時の植木の年齢は0歳、彼の年齢は2歳だった)、この時点では既に自分が天界人である自覚があり、鉄程度の神器が使えた。

幼少には、幾つかの里親や、孤児院のもとを転々としていた。
また、神器などの人間とは違う能力を持っているが故に周りの人間に恐れられてしまい、周りの子供、ついにはその親にまでも差別され虐められていた。
しかしその時は差別から守ってくれる友達の存在に支えられていた。
しかし、その友達でさえも本心ではロベルトが人間でないことに差別的感情を抱いており、それらの信じていた友達にパン泥棒の濡れ衣を着せられてしまった。
挙句の果てに、頼りにしていた孤児院の院長に、「前の里親から多額の寄付金を受け取る代わりに仕方なくロベルトを引き取って、ロベルトを他のところに送ることの出来る口実、機会を窺っていた」、という残酷な事実を言い渡された上、「お前はバケモノだ」とはっきり明言されたことで、多大なショックを受け、極度の人間不信に陥ってしまった(この際、鉄でその町の3分の1を破壊している)。

そのことにより、天界及び人間界を消滅させることを目論んでいた(十団に対しては世界の「秩序」を消滅させ、新しい世界を作ると言っていた)。

初めて植木と戦った際、地獄に落ちる小林の道連れにされたが脱出、その後ロベルト十団を率いて植木の前に立ちはだかる。
植木との再戦の中、落ちてきた瓦礫から植木に庇われたり、鈴子と佐野が植木を守ろうとする行動を目撃したとき以来、自分の行動に疑問を持ち始める。そのため神候補であり、父である(と思っていた)マーガレットに見限られ、アノンに体を乗っ取られてしまう。その後、植木と森によりアノンから助け出され、植木とも完全に打ち解け、和解した。

有する能力は「理想」を「現実」に変える能力。
人間を含む生物以外の道具や物体にそれぞれの持つ機能の範囲内で、理想的な能力を付属することが可能。
例えばティーカップに使えば落としても決して割れず、中身もこぼれない理想的なティーカップ、シャボン玉に使えば作った者が望むまで決して割れない理想的なシャボン玉、といった具合。

レベル2:理想化したモノに触れたモノの重力を変える能力。重くする時は赤く、軽くする時は青くなる。
初めて植木と戦った際は、能力で作った重力を操るシャボン玉で攻撃していた。
神器は能力と一体化した「理想的な神器」。

限定条件:自分の寿命を1年消費する、生物には使えない。
この限定条件でロベルトの寿命が尽きるのを避けるため、ロベルト十団が作られた。

天界獣(てんかいじゅう)

天界に住む天界力を食べる獣。
元々は天界人を襲い喰らう天敵であったが、現在は品種改良によって小型化され、ペットにされている。
天界人のレベルである"星"を計る十の目と、天界人をうまい餌に育て上げる覚醒臓器(その中で特訓をすると通常より遥かに早く星を上げられるが、特訓を24時間経ってもクリア出来ないと消化されてしまう)を持っている。

また、治療獣と呼ばれる回復用の獣や、バリアを出すこともできる。人間を傷つけることは出来ず、もし傷つけてしまうと天界獣は消滅してしまう(天界人が相手なら大丈夫らしい)。
また、天界人の星を七つ上げた時点で死んでしまう。
現在の天界獣は小型であるため覚醒臓器が使えない。

テンコ

本来の天界獣の姿をしたテンコ。

植木の腕に収まっている時の「小型化モード」。

本作のマスコットキャラクター。人間の年齢で言うと17歳だが実際の年齢は60万歳を超えている(正確には68万7317歳)。突然変異によって先祖返りを起こしており、品種改良される前の天界獣の、巨大な姿をしている。

天界人を食べたという罪で数十万年の間地獄の監獄で過ごしていたが、コバセンの策略により脱走し植木と出会い、彼に説得されて友達となり、本来持っていないはずの「覚醒臓器」の力で植木の「星」を上げるなどのサポートするようになった。
普段は小手のような形になって植木の腕に付いており、その際は大きさに合わせて小型の獣の姿の上半身で現われる。

かつては天界人の役に立てることを誇りに思っていたが、成長するに従い巨大になっていく姿を疎まれるようになり、遂には転んだ少年を助けようとしたところを襲ったと誤解され捕縛、天界人を食べたという冤罪を着せられて地獄に投獄されてしまっていた。
そのため、植木以外の天界人は皆嫌い。
十団との連戦で倒れた植木を守り、敵の能力(隕石)を受けた際に右の角が折れてしまっている。

戦いの後は冤罪が晴れ、生き残っていた古代天界獣たちと天界で暮らしている。
猫舌のくせに、牛丼や焼き芋のような熱い食べ物ばかりを好む。

神候補

Hideki6
Hideki6
@Hideki6

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